受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

甲陽学院中学校

2022年8月27日(土)

中学と高校が別の場所に立地
発達段階にふさわしい環境で学ぶ

 イギリスのパブリックスクールをモデルに、1917年に設立された甲陽学院中学校・高等学校。校風は「明朗・潑溂・無邪気」。関西を代表する男子進学校として知られる一方、完全中高一貫校でありながら、中学校と高校が別の場所に立地しているのも特徴の一つです。この日の説明会では、冒頭で両キャンパスの全景写真を紹介。どちらも同じ西宮市内ですが、中学は海側に、高校は山側に立地し、講堂や体育館、グラウンドなど、すべての施設が双方にあることがわかります。

 その意図について杉山恭史先生は、「成長段階の違いに最大限に配慮するためです。中高一貫校ですが、別の学校に思えるほど、中高それぞれの生徒に適した環境、教育方針、カリキュラムを用意しています」と説明しました。中学でめざすのは「自立」です。あいさつや礼儀作法の指導を通じて、生活の基本を確立し、ノートチェックなどで学習の基本を身につけます。一方の高校では、「自律」を目標に主体性を育て、みずからの手で未来を切り開く力を養います。

 学校行事やクラブ活動も中高別々に行うため、リーダー役となる最高学年を2度経験できるのもメリットです。また、キャンパスが変わることで環境が一新され、一貫校にありがちな「中だるみ」とも無縁で過ごせます。英語・国語・数学の教員は6年間の持ち上がりが原則。学業面はもちろん、精神面でも継続的にケアできる仕組みを整えています。

「自立」と「自律」を教育目標に
成長を支え、学ぶ楽しさを伝える

 後半は、中学校での様子が動画とともに紹介されました。通学路や校舎内、授業や学校行事、クラブ活動の様子が映し出されるのに合わせて杉山先生が解説。白衣を身に着け、真剣な表情で実験に取り組む姿や、「音楽と展覧の会」(文化祭)を協力してつくり上げていく過程、食堂で楽しそうに過ごすひとときなど、生徒たちの生き生きとした様子が伝わってきました。

 自由を重視し、「自律」をめざして制服も校則もない高校の特徴についても説明がありました。高2からは文系・理系で必要な授業が異なりますが、クラスは最後まで文理混合のまま。これはお互いに教え合い、学び合うことを大切にしているためで、卒業後も幅広い分野で活躍する仲間との交流が続きます。

 中高ともに週6日制で月曜から金曜は6時間、土曜は4時間の授業があることや、習熟度別クラスを設けていないこと、放課後の時間が長く、クラブ活動が活発なことも同校の伝統です。第7代校長が示した「みずから学び、考え、楽しむ」が、すべての学校生活の土台になっています。

 最後に、杉山先生は「教育の究極の目的は、自立と自律です。生徒には学ぶ楽しさや考えるおもしろさを大切にして、手段としての学びではなく、目的としての学びを深めて、本物の学問へと向かってほしいのです。劇的に成長する6年間をしっかり支えます」と述べ、説明会は終了しました。

イメージ写真

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