受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

八王子学園八王子中学校

2022年8月22日(月)

各自が興味のあるテーマを掘り下げる「探究ゼミ」を実施。それぞれの進路につながる多様なクラスを設置

 1928年に設立された「多摩勤労中学」を前身とする八王子学園。1948年の学制改革により八王子高等学校となり、「人格を尊重しよう、平和を心につちかおう」を学園のモットーとして歴史を重ね、2012年には中学校が開校しました。2016年には「東大・医進クラス」を開設し、国公立大学や難関私立大学に合格者を輩出するようになっています。

 説明会の冒頭、入試広報の波平慎太郎先生は、「100年前の八王子には、まだ教育機関がなかったのですが、『八王子の子どもたちをしっかり育てていきたい』という地元の有志が資金を出し合って本校が設立されました。このような経緯でできた学校は非常に珍しいといえます。地域に根ざした“みんなの学校”として90年以上の歴史を刻んできました」と話しました。同校では、2028年に迎える創立100周年を見据え、これまで積み重ねてきた伝統を継承していく一方、時代の変化に合わせて学びを進化させています。その代表的な取り組みとして波平先生が挙げたのは、「探究ゼミ」「戦略的語学教育」「多様なクラス編成」です。

 探究学習は2016年から実践しています。興味・関心のあることをとことん調べる「探究ゼミ」を週1コマ、正規の授業に組み込み、中1は地元・八王子、中2は修学旅行先の京都・奈良・広島、中3は海外研修で行くオーストラリアをテーマに、各自が持つタブレット端末を活用しながらそれぞれの興味のある分野を掘り下げます。学園祭や学年末の発表会ではプレゼンテーションを行う機会もあります。波平先生は「生徒たちは、興味・関心を持つと自分で考え始めます。また、プレゼンテーションを重視する本校では、探究ゼミの時間以外にも、人前で話す機会を多く設けています」と話しました。

 また、「戦略的語学教育」に取り組む同校では、英会話の時間を重視しています。授業はネイティブ教員が担当し、クラスを3分割して10~12人の少人数制で行われます。その集大成となるのが、中3でのオーストラリア海外研修です。現在は新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインで現地校と交流していますが、2019年までの研修について、波平先生は「生徒はホームステイを経験しますが、1家庭に1人なので最初は不安を抱えています。しかし、ホストファミリーと過ごす時間のなかで、伝えたいことが伝わったときの喜びは大きく、その楽しさを感じながら、自信をつけていきます」と話しました。

 「多様なクラス編成」では、「東大・医進クラス」と「特進クラス」の2クラス制について詳しく紹介されました。中学入試の段階で選抜し、東大・医進クラスは30人弱の1クラスですが、特進クラスは30~36人編成の2クラスとなります。入学時は特進クラスの生徒も、成績によって東大・医進クラスに上がることが可能です。教科書は基本的には同じものを使用しますが、東大・医進クラスではハイレベルな副教材を活用しながら、応用・発展的な学習を行います。また、医学部を志望する生徒には、医学部の講師によるガイダンスなど、明確な目標を持つ生徒の学習意欲を高めるイベントが数多く実施されています。また、「2023年度の入学生からは大きな変更があります。高1までは内部進学生のみでクラスを編成しますが、高2からは高校からの入学生との混成クラスとなる点です」とのことです。この変更点について波平先生は、「学んでいくなかで、入学時とは目標や状況が変わってくる生徒もいるので、柔軟に対応するため」と説明しました。そして最後に、「一般入試だけでなく、総合型選抜・公募推薦入試にも対応できるクラスも選べます。生徒一人ひとりの進路や将来に真剣に向き合い、それぞれに合った伸ばし方で指導していくのが本校の方針です。生徒たちには、6年間でいろいろな仲間と出会ってほしいと願っています」というメッセージを送りました。

イメージ写真 高校には音楽系や美術系の大学をめざすコース、アスリートコースなどもあります。多様な生徒が集い、互いに刺激し合えることも同校の魅力です

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