受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

ラ・サール中学校

2022年8月25日(木)

最難関大学への高い進学実績を誇る九州の名門。全国の仲間と切磋琢磨できる6年間

 「ラ・サール会」は、世界の約80か国で1000を超える学校を運営するカトリック教育修道会です。鹿児島のラ・サール学園もラ・サール会を設立母体とする学校の一つで、1950年に高等学校が、1956年に中学校が開校しました。最難関国公立大学や医学部に多数の合格者を輩出する進学校として知られる同校には学生寮があり、県内外から生徒を受け入れています。

 この日のオンライン説明会は副校長の谷口哲生先生が進行を務めました。冒頭では入学時に生徒に配られる「ラ・サール生のつとめ」の内容が紹介されました。それによると、ラ・サール生には学力はもとより、「礼儀」「隣人愛」「善悪の判断と意志の力」なども求められるとのことです。

 学習指導では6年一貫の特色あるカリキュラムの下、毎月行われる主要教科のテストで基礎学力の定着を図ります。中1・2では英語・数学・国語の3教科に重点を置き、中2で中学校の学習範囲を終了します。ネイティブ教員による英語はクラスを2分割した少人数制で週2コマ6年間行われ、外国人教員が英会話・リスニング・英作文を指導しています。中3・高1までに主体的な学習姿勢を確立すると、高2では文系・理系クラスに分かれます。高校からの入学生を含めた5~6クラス編成ですが、理系が4クラス、文系が1~2クラスと理系志望者が多いのが特徴です。高2の後半からは問題集を使った「週テスト」を導入し、大学受験に向けた実戦力を高めていきます。谷口先生は「学校の授業とテストのみで難関大学合格に必要な学力をつけていきます」と強調しました。

 続いて谷口先生は、ある雑誌が調査した同校の大学入試データを紹介しました。2022年春は、国公立大学医学部に76人が合格し、全国で2位という結果だったそうです。2016~200年の5年間平均では、東大・京大・国公立大医学部の合格者数ランキングで10位(合格率では7位)でした。谷口先生は「卒業生全体の50%以上が東大・京大・国公立大医学部に合格・進学しています」と語りました。

 同校では学力の養成だけではなく、身体の鍛錬も重視し、学校行事と部活動にも力を注いでいます。一大イベントとなるのが、中1から高2までを対象に行われる「桜島一周遠行」です。朝8時から順次、学年別に出発し、徒歩またはランニングで桜島を1周(35キロ)します。このほか、開聞岳や霧島連山の名峰などに挑む登山も行われており、仲間と汗を流して心身を鍛える機会が豊富です。また、部活動も盛んで、特に寮生は通学時間がほとんどない分、部活動に充てているとのことです。谷口先生は「進学校の場合、部活動は高2までという学校もありますが、本校の場合、運動部員は高3のインターハイ予選まで部活動を続け、それを終えてから引退する生徒が多いです」と説明しました。文化部としては全国優勝2回、準優勝2回の実績を持つクイズ研究会が有名で、囲碁部・将棋部と英語ディベート部も毎年全国大会に出場しています。

 学校に併設されている学生寮に関する説明もありました。東京都出身の生徒は鹿児島県、福岡県に次いで3番目に多く、それ以外の関東地方出身者も少なくないそうです。中学生は3学年混合の8人部屋です。これは明治維新の志士を生んだ薩摩藩の「郷中教育」の考え方を取り入れたもので、年の近い者同士が集団で生活することを通して、協調性やコミュニケーション力を高める狙いがあります。食事は栄養士監修の手作りのものが提供され、洗濯や掃除は職員が行います。谷口先生は「多様な仲間たちと思い出深い青春を過ごすことができます。親元を離れるので自立心が芽生え、ご両親への感謝も深まります」と述べました。高校からは個室に移り、さらに高3になると、ラ・サール生専用の下宿で生活します。

 2023年の中学入試は1月28日に本校会場で実施されます。谷口先生は「学生寮には定員があります。近年は入寮希望者が多いため、あえて正規合格者を絞り、追加合格者を出して対応しています」と説明しました。

イメージ写真 鉄筋コンクリート造りの学生寮には、自習室・食堂・大浴場・病室などが備えられています

www.lasalle.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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