受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東海大学菅生高等学校中等部

2022年8月31日(水)

新たなコース編成で、「世界標準の力」を育成する中高一貫教育を推進

 東京都あきる野市に広大なキャンパスを有する東海大学菅生高等学校中等部。「自然が教科書だ。」をスローガンに掲げ、1983年に高等学校が、1995年に中学校が開校されました。緑豊かな立地を生かした環境教育と、グローバルリーダー育成に必要な国際理解教育を2本の柱とし、充実した学びを実践しています。

 オンライン説明会に登壇した校長の下平孝富先生は、「本校は、医学部・海洋学部・航空宇宙学部など、ユニークな学部がある東海大学に最もスムーズに進学できる学校です。クラブ活動も活発で、充実したスクールライフを送ることができます」と語りました。特色あるクラブとして、周囲の山や川の生物を観察するエコクラブがあり、2021年4月に始動した女子チアダンスクラブは、早くも今年7月、全国大会3位という快挙を達成しました。このほか、一流ホテルでシェフを務めた経験を持つ職員によるおいしい給食も魅力の一つです。

 下平先生は、「中学時代は『しあわせ探しの旅』の始まりです。自分が進む道を探す中高の中等教育期間は、人生において非常に大事な時期です」と強調しました。続けて、「21世紀は『VUCA』(Volatility=変動性、Uncertainty=不確実、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性)ということばで表されるように、これまでの解決策が通用しない予測不可能な時代です」と述べ、これからの子どもたちに必要な力として、「未知のものに立ち向かう力」「他者と協働できるコミュニケーション力」「自分の意見を構築し、表現して伝えられる力」「英語を自在に操れる力」と、その土台となる「コンピューターを使い、データを分析する力」を挙げました。

 そして、「こうした『世界標準の力』を身につけるには、体験を通して蓄積した知識を思考に結び付け、自分の意見を構築し、表現し伝えるというプロセスを踏まなければならないため、習得するには長い時間がかかります。6年を通した一貫教育こそが、それに対応できる仕組みです」と下平先生は話します。その改革の第一歩として、同校では2021年度に完全中高一貫の「医学・難関大コース」を新設しました。さらに、2023年度からは、従来の「総合進学クラス」を完全中高一貫の「一貫進学コース」に改編して、東海大学の希望学部に進める力以上の能力の獲得をめざします。

 「医学・難関大コース」では、「学習サポートプログラム」「STEAM教育プログラム」「英語運用力向上プログラム」「異文化理解プログラム」「環境教育プログラム」「未来計画プログラム」の六つのプログラムを実践しています。「学習サポートプログラム」では、チューターが支援する「Sugao20」のシステムを導入し、中等部では午後7時30分まで、高校では午後8時まで、放課後の学習に対応しています。「STEAM教育プログラム」では、専門家の指導の下、宇宙探査ロボットのプログラミングなどを学ぶ「e-kagaku」講座を実施。「英語運用力向上プログラム」については、イギリスのケンブリッジ大学が開発・実施する「ケンブリッジ英検」の試験官の資格を持つネイティブ教員が英語の授業を担当しているほか、オンライン英会話も取り入れ、実用的な生きた英語に接する機会を豊富に設けています。また、中3生が全員参加するオーストラリア英語研修など、「異文化交流プログラム」も多彩です。「環境教育プログラム」では、東海大学の教授の指導の下、フィールドワークに取り組み、そこで発見した課題について研究した結果を論文にまとめます。そして、「未来計画プログラム」では、2022年度から教材を使ったキャリアプログラムを開始しました。近隣の病院や東海大学との連携も進め、どのように社会に貢献していくかを考えるさまざまな機会を用意しています。

 下平先生は、「やりたいことが見つかったときのために、それに見合う即戦力を身につけ、気迫を持って21世紀を生き抜く人材を育成するのが本校のゴールです。生徒一人ひとりの『しあわせ探しの旅』に寄り添い、これからも改革を続けていきます」と力強く語り、説明会を終えました。

イメージ写真 東京ドーム1.2個分の広さを誇るキャンパスには、地上6階・地下2階建ての校舎や人工芝グラウンド、200台収容できる駐車場などがあり、車での送迎も可能です

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