受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

二松学舎大学附属柏中学校

2022年8月31日(水)

自問自答力を育み、「探究」をより深化させる二つのコースを新設

 漢学者・三島中洲が1877年に創設した漢学塾「二松学舎」を母体とする二松学舎大学附属柏中学校・高等学校。1969年、現在の千葉県柏市に附属沼南高等学校として開校し、2011年に現校名に改称するとともに中学校を設置して中高一貫教育を開始しました。145年の伝統を受け継ぎながら、21世紀の学びを追究する改革に取り組んでいます。

 この日のオンライン説明会であいさつに立った校長の七五三和男先生は、安心できる環境で学校生活を送ることの重要性に触れ、「本校では、16台のスクールバスを運行して登下校の安全に配慮し、災害発生時にも対応できる施設を備えています。また、少人数制を取り入れ、一人ひとりの生徒に目が行き届く教育を行っています」と述べました。

 次に、副校長の島田達彦先生が登壇し、「21世紀の社会で求められるのは、情報を集めて自分が納得し、かつ他者も納得させる力です。今ある仕事を人工知能が代替していく『Society5.0』の時代で活躍するためには、『探究力』を身につけることが重要になります」と強調しました。続けて、同校の建学の精神である「己を修め人を治め一世に有用なる人物を養成す」にも「探究」がうたわれていることを紹介。「本校は創立以来、探究教育を一貫して実践している学校です。多様な人々と協力して課題を解決するプログラムを実施し、しなやかさとたくましさを持った探究力の育成に取り組んでいきたいと思います」と話しました。

 具体的な教育内容の説明は、入試広報部の土屋圭司先生が担当しました。同校では、2022年度から、新たに「グローバル探究コース」と「総合探究コース」の2コース制がスタートしています。共通する2本の柱として「人間力の向上」と「学力の向上」を掲げており、それぞれの軸となるのが、大きな特色でもある「論語教育」と「探究教育」です。

 論語教育では、中1から「素読・暗唱」に取り組み、論語・漢詩の検定試験にも挑戦します。論語の三徳とされる「知」「仁」「勇」は、あらゆる学校活動のベースになっているそうです。一方、探究教育は「学習支援プログラム」「自問自答プログラム」「進路支援プログラム」から成り立っています。学習支援プログラムでは、毎朝25分間の「モーニングレッスン」や家庭学習を記入する「365ノート」などを通じて学力を伸ばします。自問自答プログラムでは、多彩な校外体験プログラムを通して広い視野を培い、中3で集大成として「探究論文 自問自答」に取り組みます。また、進路支援プログラムとして、みずからの進路を考える機会を数多く用意しています。

 さらに、新設のグローバル探究コースでは、こうした教育活動に加えて、SDGs(持続可能な開発目標)を中心としたグローバル教育が行われます。その学びを深める「NISHO GLOBAL PROJECT Jr.」は、四つのプログラムで構成されています。一つ目の「プレゼンテーションプログラム」では、週2回、7時限目にSDGsを題材に学ぶ「グローバル」の授業があり、世界で起こっている問題の解決策を考えます。二つ目の「特別体験プログラム」では、「コミュニケーションワークショップ」などの体験型学習を、三つ目の「パワーアップイングリッシュプログラム」では、オールイングリッシュの英語集中講座を実施。四つ目の「海外研修プログラム」としては、ブリティッシュヒルズ(中1)、オーストラリア研修・セブ語学研修(中2)、カナダ研修(中3)を準備しています。土屋先生は、「グローバル探究コースのスローガンは、“Be a change-maker(変革者たれ)”です。さまざまな物事から問題を発見し、解決に向けて提案したアイデアを実践してほしいという思いを込めました。生徒たちには、世界を変える経験とともに、自分を変えていく経験も積んでもらいたいと願っています」と語りました。

イメージ写真 正門前まで全5ルートの無料スクールバスを運行。東京ドーム約3個分の広大なキャンパスには、野球・サッカーのグラウンドをはじめ、冷暖房完備の体育館など、運動施設も整っています

www.nishogakusha-kashiwa.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ