受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大妻多摩中学校

2022年9月1日(木)

理数・探究教育を重視し、「予測困難な未来社会の中で活躍・貢献する女性の育成」をめざす

 1908年、創立者の大妻コタカが裁縫と手芸の私塾を開いたことから始まった大妻学院。創立80周年記念事業として1988年に大妻多摩高等学校が設立され、1994年には中学校が併設されました。そんな同校は、伝統ある女子教育の良さを継承しながら、「予測困難な未来社会の中で活躍・貢献する女性の育成」をめざしています。

 説明会であいさつに立った校長の熊谷昌子先生は、初めに教育理念について話しました。同校のスローガン「わたしの力を、未来のために」は、6年間で身につけた力を、他者や社会のために役立てたいと思う人を育成することを目的とし、「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」の三つを教育理念として掲げています。

 「自立自存」は、大妻コタカの「自らの足で立ち、自らの力で生きる」ということばに由来しています。かつて裁縫で多くの女性の自立を手助けしたように、生徒たちが幅広い教養を身につけて成長し続ける人になるよう、今の時代に合った自立へと後押しします。「探究」の時間では、自分の興味ある分野を深く掘り下げ、グループワークを通して自分の意見を伝えることを大切にしています。

 「寛容と共生」では、多様な価値観を尊重し、他者と協働しながら平和な社会を支えていく人に育てます。コミュニケーション能力育成のための「人間関係スキル講座」を実施するなど、「正解のない問い」に取り組み、非認知スキルの向上を図っていきます。

 「地球感覚」では、世界的な視野を持ちながら、課題の発見・解決に取り組み、明るい未来を切り拓いていく人を育てます。学外の人や機関と連携したイベントを通して視野を広げるほか、英語・国際教育プログラムなどで、他国の人とコミュニケーションをとるための土台づくりをします。熊谷先生は、「生徒の力を伸ばすために変化し続ける本校の教育を、今日の説明会でぜひ感じ取ってください」と結びました。

 続いて、主幹の松田武先生が、具体的な教育プログラム「Tsumatama SGL」について説明しました。SGLは、「Science Education」「Global Education」「Liberal Arts Education」の三つの学びから成り立っています。

 「Science Education」は、好奇心や探究心を養うための理数教育プログラムです。五つの実験室で行われる多種多様な実験、約10万㎡あるキャンパスを生かして取り組む動植物の観察などに取り組みます。中3で週1コマある「数学探究」の時間では、これまで学んだ定理や法則が社会の中でどう役立っているかを学び、観測や実験などを通して数学の面白さ・有用性を実感することができます。

 一方、「Global Education」でめざすのは、世界に通用する国際感覚とコミュニケーション力の養成です。中1の「プレ・エンパワメント・プログラム」は、日本に留学している大学生と3日間、グループディスカッションやプロジェクトワークに取り組みます。また、中2の「グローバル・キャリア・フィールドワーク」では全員でオーストラリアを訪問し、中3の「英国セミナー」「トルコセミナー」では2週間のホームステイで海外生活を体験します。ターム留学はイギリス、ドイツ、ニュージーランド、オーストラリアの4か国に、高1・2の約50名を派遣するとのことです。

 最後に、慶應義塾大学薬学部2年に在籍する卒業生が登壇。「学習記録表の記入、手厚い学習サポート、進路に関する豊富な情報など、早い時期からの進路指導体制が整っていたおかげで、興味・関心のあることを見つけ、その学びを深められる大学に進学できました。皆さんも大妻多摩で充実した6年間を過ごしてください」というスピーチで説明会が締めくくられました。

イメージ写真 アカデメイア棟には、木のぬくもりが感じられる図書館と自習室があります。2階から3階が吹き抜けになっていて、明るく開放的な雰囲気です

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