受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜中学校

2022年9月8日(木)

海外大学との高大連携でめざす「社会で活躍できるグローバル人財の育成」

 1942年、教育者の黒土四郎により旧制横浜中学校として設立された横浜中学校・高等学校。開校以来、「信頼を受くる人となれ」「責任を重んぜよ」「秩序を守れ」の三条と、「誠意」「総力」「努力」「創造」「忍耐」の五訓からなる「三条五訓」を建学の精神に掲げています。長く男子校でしたが、これからの男女共同参画社会に向けて2020年4月に高校が共学化されました。新たに「思いやりあふれる青少年の育成」「社会で活躍できるグローバル人財の育成」をミッションに加えた同校は、「中学は男子校、高校は共学校」という新しいスタイルの進学校として3年目を迎えました。

 現時点では、中学から入学した一貫生と高校からの入学生は別クラス・別カリキュラムとなっていますが、現中1が高1に進級する2025年度からは、高校に設置された「プレミアコース」「アドバンスコース」「アクティブコース」の3コースのうち、「アドバンスコース」内に混合クラスを編成する予定です。

 この日のオンライン説明会で、教頭の館山和央先生が強調したのは、「グローバル人財」を育てるためのさまざまな取り組みです。なかでも注目されるのが、海外の2年制・4年制大学との高大接続連携システムです。これは、在学中または卒業後に、「グローバル・エリート・プログラム」という1~2週間の体験プログラムに参加すると、「英検®2級以上の取得」「高校卒業後に現地で8週間の入学準備講座を受講」の二つを条件に、提携する海外大学への入学資格が得られる制度です。提携先はアメリカ、フィリピン、オーストラリア、カナダ、台湾などにある大学で、今後も選択肢を拡大していく予定です。この試みを「日本初」と自負した館山先生は、「これからの国際化社会を生き抜くうえで、海外に視野を向け、国際交流を通して人生経験を増やすことは非常に大切です。多くの生徒に挑戦してほしいと考えています」と語りました。

 また、中3までに英検®準2級以上を取得し、英語で一定の成績を収めた生徒には「グローバル・セレクト(GS)」、高1で同条件をクリアした生徒には「グローバル・パスポート(GP)」と呼ばれる希望制の発展クラスが用意されています。GSは高1~3の3年コース、GPは高2~3の2年コースとなり、通常クラスの生徒が週1回受講する英会話の授業を、GS・GPの生徒は週4回受講できます。これらの授業は、ネイティブ教員と日本人教員によるチームティーチングで行われ、オールイングリッシュで学習することによって実践力を高めていきます。

 そのほかの学習支援も充実しています。「YSAP(Yokohama Study Assist Program)」と呼ばれる少人数制の放課後講習で生徒一人ひとりの学力の向上を図っているほか、専用の学習室には学習サポーターや大学生チューターが常駐し、生徒の状況に応じてきめ細かく対応しています。

 学校行事については、「横校祭(文化祭)」と「Yokohama Sports Festival(体育祭)」が2大イベントですが、高校野球の強豪校ならではの行事として「高校野球全校応援」があります。館山先生は「在校生全員がスタンドで一丸となって声援を送る経験は、なかなか他校では味わえません。愛校心が育まれる一大イベントです」と語りました。

 最後に、2023年度の中学入試について説明がありました。第1回から第3回までのすべてが2科(算数・国語)または4科(算数・国語・理科・社会)の選択制で、いずれの場合も2科の点数で合否判定を行った後、あらためて4科の点数で判定が行われるとのことです。館山先生は「合格のチャンスを広げたい場合は、ぜひ4科でのチャレンジをお勧めします」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 京浜急行線「能見台」駅から徒歩約2分という恵まれた立地も魅力です。2020年の高校共学化を機に、校舎を全面改修。明るく開放感のある教室や、温かみのある木目デザインのコモンスペースが特徴です

www.yokohama-jsh.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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