受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

駒込中学校

2022年9月13日(火)

仏教校としての伝統を継承しながら、グローバル教育やICT教育にも注力

 1682年、上野・不忍池のほとりに了翁(りょうおう)禅師が開設した「勧学講院」を起源とする駒込中学校。1200年前に伝教大師・最澄が『山家学生式』という書物の中に書き残した「一隅(いちぐう)を照らす」ということばを教育の理念として掲げ、仏教主義に基づく人間教育の伝統を継承しながらも、グローバル教育やICT教育にも力を注いでいます。

 説明会の冒頭、校長の河合孝允先生があいさつに立ち、同校では2科・4科のほかに2種類の適性検査型入試、プログラミング入試、自己表現入試(プレゼンテーション型入試)、英語入試といった多彩な入学試験を実施していることを紹介しました。そのうえで河合先生は、「これは本校がダイバーシティ(多様性)を重視しているからです。勉強も大事ですが、それは縦軸です。これからの21世紀に求められるのは、その知識を使って『自分には何ができるか』という横軸です」と強調しました。さらに河合先生は「OECD(経済協力開発機構)が世界の子どもたちに求めている能力は、見通し(Anticipation)を立てる力、行動(Action)する力、振り返り(Reflection)をする力の三つです。これらを毎日の学校生活のなかで身につけていけるような指導を実践しています」と力強く述べました。

 続いて、河合先生は在校生のさまざまな活躍について紹介しました。WRO(国際的なロボットコンテスト)全国大会、ドローンサッカー大会、東京都主催の「TOKYO STARTUP GATEWAY」、模擬国連、とうきょう総文2022などに参加・出場した生徒は、いずれも優秀な成績を収めたそうです。また、在学中に二つの会社を起業した卒業生についても触れた河合先生は、「生徒一人ひとりが『なりたい自分』になれる進路を選択し、自己肯定感をしっかり持って生きていけるような、充実した学びを展開していきたいと考えています」と結びました。

 教育内容については、中学教頭の吉田宏一先生から説明がありました。2021年度より、中学が「国際先進コース」に統一された同校では、入試の成績により習熟度別の「Sクラス」「Aクラス」に分かれて学びます。高校進学時には、国公立大学・難関私立大学をめざし、幅広く総合的に学ぶ「特S・Sコース」のほかに、海外大学への進学も視野に入れた「国際教養コース」と、3年間を通してSTEAM教育を受け、理系学部をめざす「理系先進コース」も選べます。中学からの一貫生は、3コースいずれにも進めるよう、幅広く奥深い知識を養うカリキュラムで学び、クラスは進級時に一定基準に基づいて入れ替えを行います。

 また、フォローアップ体制も充実しており、教員が指導する全員参加の夏期講習会、特別講習会、指名補習が行われるほか、自宅学習を補うためのアプリも導入され、大学生がチューターとなって指導する「学習サポートセンター」も設置されました。グローバル教育としては、クラスを2分割して行う英会話の授業や、海外のネイティブ講師からマンツーマンのレッスンを受けるオンライン英会話などがあります。

 多彩な行事も同校の大きな特徴です。中2で行う日光山研修では、2日間の日程で栃木県日光市の日光山輪王寺を訪問します。坐禅や写仏などを体験し、生徒一人ひとりが精神力を磨き上げます。部活動も活発で、サッカー部は今年6月に行われた文京区の中体連サッカー夏季大会で優勝し、硬式テニス部は個人戦で都大会出場を果たしました。

 最後に、2023年度入試について説明がありました。全部で5回行われる入試のうち、2月2日午後の第4回入試では、前年度までの算数1科に加えて、国語1科での受験も可能となったそうです。

 このほか、この日の説明会では、中3でSクラスの男子生徒へのインタビューも行われました。「中学で楽しかったことは?」という質問には、「中2の日光山研修で、ほかではできない体験ができた」と答えました。また、吉田先生から「学校の魅力は?」と聞かれると、「すてきな先生が多い」と笑顔で答え、楽しい学校生活を送っていることが伝わってきました。

イメージ写真 全教室に電子黒板を配置し、生徒全員がタブレット端末を所持するなど、ICT環境が充実。オンラインでプログラミングなどを学ぶ機会もあります

www.komagome.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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