受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜雙葉中学校

2022年9月13日(火)

キリスト教に基づき、人と世界、未来をつなぐ生き方をめざす

 1900年にフランスの修道会「幼きイエス会」のシスターたちによって創立された横浜紅蘭女学校は、戦後に改称されて横浜雙葉中学高等学校になりました。キリスト教に基づく人格教育に力を入れる一方、充実した教科教育・体験学習・行事などを通して、国際社会で活躍する女性の育成をめざしています。

 この日のオンライン説明会であいさつに立った教頭の佐藤亙先生は、「男性か女性かを問わず、すべての人がその人らしく生きることができるように、本校では女子校としての教育活動を続けています。中1で出会った友人たちと、価値観の違いに戸惑いながらもお互いの違いを受け止め、クラブ活動や行事を通して協力関係が育まれていきます。上級生になるとお互いにかけがえのない存在であることを実感し、受験期を支え合いながら乗り越えていきます。リーダーシップだけではなく共感性や協調性も育つ環境です」と話しました。

 次に、教育課程について、三つの特色が紹介されました。一つ目は、6年間を三つの時期に分けて行う緩やかな先取り学習です。中1・2では文字式、方程式、関数、論説文、古文など、抽象的で概念的な事柄の学習が始まります。「理解したうえで自学すること」を大切にしている同校では、ノートの提出や小テストを繰り返し、生徒一人ひとりの理解度を確認しています。中3からは高校内容の学習が始まり、高校の基礎科目は高1までの2年間で学び終えます。クラスは文系・理系に分けず、理科は物理・化学・生物の3分野、社会は日本史・世界史・地理の3科目を学びます。

 二つ目は生徒が希望する進路を実現するための本格的な進路指導です。中3から大学進学を見据えた基礎科目に取り組み、卒業生の話を聞くことで学習意欲を高めます。進路を具体化する指針となるのが、高1の校外学習です。2泊3日の日程でワークショップを行うなどして、自分の将来像を模索します。高2・3ではそれぞれの進路に合わせた選択カリキュラムに沿って学習を進めていきます。特に高3では、さまざまな演習科目を設置しているそうです。

 三つ目は、バランスの良いカリキュラムで幅広く奥深い教養を身につけたうえで、生徒の希望進路を実現させる、充実したサポート体制です。中学では、美術・音楽・家庭科などの実技科目も重視し、視野を広げるとともに感性を豊かに育めるように時間割を編成しています。高校では、美大や音大を志望する生徒を対象とした授業も行っています。

 続いて、「総合的な学習の時間」「総合的な探究活動」の紹介がありました。「総合的な学習の時間」は、中1で文献調査法・ブレーンストーミングなどのスキルを習得し、中2は「自然」、中3は「人とのかかわり」をテーマに探究活動に取り組みます。「総合的な探究活動」では、今後主流となる新しい大学入試への対策となるよう、教員全員でサポートしているとのことです。さらに高3では、医療系講座・小論文講座・共通テスト対策講座などを開講しています。その成果が実を結び、今年春の卒業生は東京大学に3名、一橋大学に5名、お茶の水女子大学に2名、東京外国語大学に1名が現役で合格。私立難関大学では、慶應義塾大学に42名、早稲田大学に36名が現役合格を果たしました。医学部医学科の現役合格者は、国公立大学が4名、私立大学が36名という結果でした。

 最後に佐藤先生は「今年度より、本校の卒業生でもある木下庸子校長が就任しました。校長が掲げている今年の学校目標は『人と世界、未来をつなぐ』です。これは『幼きイエス会』のシスターから受け継がれたもので、『たくましい知性』『開かれた感性』『未来への責任』から成るものです。創立から120年来、変わらぬ精神で夢と希望に向かって歩む生徒をこれからも励ましていきます」と結びました。

イメージ写真 みなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩6分。生徒たちは洋館が建ち並ぶ閑静な住宅街を通って登校します。横浜の中心部でありながら、緑豊かで落ち着いた環境です

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