受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖セシリア女子中学校

2022年9月12日(月)

発達段階に応じたていねいな学習指導で、「心と力の調和」の取れた「幸せな人」に

 聖セシリア女子中学校・高等学校の起源は、教育者・伊東静江によって1929年に設立された大和学園です。創立者がカトリック信者であったことから、カトリック精神に基づく宗教教育を基盤とし、「信じ 希望し 愛深く」の校訓の下、「幸せな人」となるための「心と力の調和」をめざす教育を行っています。

 オンライン説明会の冒頭で、入試広報部長の大橋貴之先生は、教育目標を達成するための条件として「確かな学力」「適切な進路指導」を挙げ、その内容を詳しく説明しました。一つ目の「確かな学力」では、「3ブロック制」によるカリキュラムを紹介。中高6年間を、基礎固めを行うAブロック(中1・2)、反復演習で知識の定着を図るBブロック(中3・高1)、入試突破力を養うCブロック(高2・3)に分け、それぞれの発達段階に応じた指導を行っています。Aブロックの生徒には、教科授業だけではなく、「エンカウンター」と呼ばれるグループワークを年10回実施しています。他者への理解を促し、信頼関係の構築を目的とした「エンカウンター」の授業について、大橋先生は「充実した学校生活を支える土台になります。学びに安心感を求める生徒が多い、女子校ならではの工夫です」と説明しました。

 同校では週5日制の下、週32時間の授業時間を設けています。原則として土曜日は休校ですが、希望者を対象に年間50以上の土曜講座を開講。中学生には英語・数学・国語の演習講座を、高校生には進路別の講座を実施しているほか、英検®や漢検の対策講座などもあります。大橋先生は「講座を自由に選択して受けられるので、一人ひとりに応じた学習支援が可能です」と、きめ細かいサポート体制に自信を見せました。

 オリジナル科目も多彩です。代表的なのは、中1・2を対象にした「イングリッシュ エクスプレス」です。この科目には、英語のミュージカルを練習する過程で、発音や表現力を磨くという狙いがあります。週に7コマ設定されている英語の授業のうち、5コマは文法、1コマはネイティブ教員ならびにオンラインを活用した英会話、1コマは「イングリッシュ エクスプレス」という内訳です。この授業について、生徒たちは「ふだんのスピーキングでも堂々と話せるようになった」「英語を話す恥ずかしさがなくなった」と感想を寄せており、歌や演劇を楽しみながら英語力を磨いているそうです。

 「音楽の聖人」とされる「聖セシリア」を校名とする同校は、芸術教育にも力を注いでいます。校内には生徒が自由に弾けるピアノが設置されているほか、クラシックバレエ部もあります。希望者は、放課後に有名なバレエ団の講師による本格的なレッスンが受けられるとあって、毎年約2割の生徒が、このバレエ部を志望理由に入学してくるそうです。

 二つ目の「適切な進路指導」では、「自分には与えられた能力があり、その力を周りの人のために生かすミッションがある」というカトリックの教えを土台に、6年間で80時間以上の独自のキャリアプログラムを実施しています。大橋先生は、過去3年間の大学合格実績のデータを示しながら、「近年は卒業生の約9割が4年制大学に進学しています」と進路の傾向を解説しました。国公立大学や早慶上理・GMARCHといった難関私立大学への合格者もコンスタントに輩出しており、「入学時の学力から見ると、本校での6年間で大きく力を伸ばす子がたくさんいます」と進学指導の手厚さを強調しました。

 2023年度の中学入試では、2月1日午後に「スカラシップ入試」が新設されます。この入試を受験した生徒のうち上位5名には、入学金と1年間の授業料を、6~10位の生徒には入学金を免除するという試みです。試験科目は算数1科のみ。サンプル問題は学校ホームページに掲載されているとのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 小田急江ノ島線「南林間」駅から徒歩5分。または東急田園都市線「中央林間」駅から徒歩10分。卒業生のおよそ1割が芸術系の学部に進学しています

www.cecilia.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ