受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

高輪中学校

2022年9月12日(月)

物事の本質を探究する姿勢を育み
バランスの取れた人間形成をめざす

 高輪中学高等学校の前身は、京都の西本願寺が1885年に創設した「普通教校」です。1901年に現在の高輪の地に移転後、1906年に西本願寺から独立し、新時代にふさわしい教育機関として「高輪中学校」と改称されました。「自分の意志で自分を戒め正す」という意味の「自主堅正」を校訓とし、「豊かな学力と自主精神」を育む教育を実践しています。

 説明会では、校長の平野豊先生があいさつに立ち、「見えるものの奥にある見えないものを見つめよう」という教育理念について、「何事も表面だけを見て判断するのではなく、内面の深い部分まで目を向けて本質を探究しようという意味です。本校では多感な中高生の目に見えない心の成長を大切にし、みずから考え、本質を探究する姿勢を育んでいきます」と述べました。

 同校では「人を育てる指導」「大学へ進学させるための指導」の二つを教育目標に掲げています。一つ目の「人を育てる指導」では、基本的な生活習慣を確立し、人とのかかわり方や信頼関係の築き方を学びながら、生徒の自立を促します。そのために、8割以上が専任である教員陣が、ほぼ持ち上がりで一つの学年を6年間担当しているそうです。

 二つ目の「大学へ進学させるための指導」では、中高6年分の内容を高2までで学び終える先取り教育を行い、高3では演習が中心となります。確認テストで理解が不十分だと判断された生徒には指名補習を実施し、知識を定着させていきます。このほか、体験学習、行事、部活動にも力を注ぎ、さまざまな体験を通してバランスの取れた人間形成をめざしています。

学習面と生活面をていねいにサポート
難関大学への現役合格者が大幅に増加

 次に、教頭の江口崇先生が教育内容について説明しました。同校では、中高6年間を前期(中1・2)、中期(中3・高1)、後期(高2・3)に区切り、学習面と生活面の両面においてていねいに指導し、社会人として必要な知識と教養を備えた男子の育成をめざしています。

 前期は「基礎学力徹底期」として「提出期限を守る」「家庭学習を行う」といった基本的な学習姿勢と基礎学力を身につけていきます。生活面では、身だしなみ、公共マナー、SNSの使い方などを指導します。長野県の白樺高原を訪れる自然体験学習(中1)、福島県会津地方の喜多方で行う農工芸体験学習(中2)では、仲間との関係を深め、自分の興味・関心の幅を広げていきます。

 中期の「進路決定・学力伸長発展期」では、大学見学や職場見学などを行い、後期での文系・理系選択に向けて進路への意識を高めます。中3の西日本探訪では、沖縄の歴史・文化に関する知識を深め、平和について学習した成果をレポートにまとめます。後期の「総仕上げ・進路達成期」では、大学入試に向けて本格的な学習に取り組むとともに、仲間と生涯にわたる絆を築いていきます。高2の海外学校交流では全員でオーストラリアを訪れ、現地の学校との交流や農家でのファームステイを通して、英語力を伸ばします。

 こうした取り組みの結果、2022年春の大学合格実績も向上しました。東京大学に1名、京都大学に1名が現役で合格したほか、早慶上理への現役合格者も、前年度の88名から142名へと大幅に増えています。

イメージ写真 JR山手線・京浜東北線「高輪ゲートウェイ」駅の開業により、アクセスしやすくなりました。キャンパス周辺は寺社が点在する落ち着いた環境です

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