受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神戸女学院中学部

2022年8月28日(日)

毎朝の礼拝で聞く話が、
生徒たちの心を動かす

 神戸女学院は、米国伝道会から派遣された2人の女性宣教師が神戸に開校した私塾をルーツに、1875年に設立されました。今年で開校147年目となり、2025年に150周年を迎えます。この日の説明会は、ドローンで上空から校舎を撮影した動画による施設紹介からスタートしました。岡田山という自然豊かな里山に建てられた校舎群は、名建築家ヴォーリズが設計したもので、当時からある12棟は2014年に国の重要文化財に指定されました。生徒たちはそのような環境のなかで学校生活を送っています。

 同校の一日は、毎朝8時30分からの礼拝で始まります。講堂の入り口に掲げられているのは「愛神愛隣」という文字。「これは神戸女学院の永久標語であり、『神様を愛し隣人を自分のように愛しなさい』という意味。卒業後もこの心を持った人であってほしいという願いを込めています」と部長の森谷典史先生は話します。

 礼拝では、牧師、教員、卒業生、そして生徒など、さまざまな人の話を聞きます。1年で約180人が登壇するので、6年間で1000人以上の人の話を聞くことになります。「最も生徒の心に響くのは、先輩や仲間である生徒が語る話です。特に各委員会や行事のリーダーが苦労や悩み、行事と学習の両立、アドバイスなどを率直に語ることで、聞く生徒たちはその話に共感し、受け止め、多くのことを学んでいきます。たとえば、中1生から見た高3生は、とても大人で、あこがれの存在。その姿に刺激や影響を受け、『自分もあの先輩のようになりたい』『自分も壇上に立ってお話をしたい』という目標を持って学校生活を送るようになります」と森谷先生は話しました。

独自の教授法「クルー・メソッド」で、
実践的な英語力を養成

 英語教育については、「クルー・メソッド」という教授法で展開しています。「英語圏の赤ちゃんが英語を母語としてマスターする過程を再現するように英語を学習します。授業では、発音記号を用いた徹底的な発音指導を行うことで音を聞き分ける力、正しく発音する力を養います。また、オールイングリッシュで授業をすることで、日本語を介さずに英語を体得し、実践的な英語力を身につけていきます」と森谷先生は力強く説明しました。

 数学は先取り学習を行い、中2の1学期で中学の内容を学び終え、2学期からは高1の内容に入ります。高1の終わりには高校課程を終わらせ、高2で総復習、高3ではハイレベル演習を行っています。卒業生の進路は、例年理工系に3割、医学系に3割、文系に4割となっています。

 行事も多彩で、「文化祭企画実行委員など、行事でリーダーを経験した生徒に成長を感じる」と森谷先生。「リーダーは自分が引っ張っていくだけではなく、どのように仕事を振り分け、お互い信頼して動くことができるかが重要。このような経験をしてほしい」と語りました。

 毎年、生徒と保護者に「学校評価アンケート」を実施していますが、生徒の97%が「入学してよかった」と回答しています。礼拝で話した生徒を、聞いていた生徒が抱きしめるシーンを見かけ、その優しさに感動したという森谷先生。最後に「本校は、がんばっている人を称え合う学校です」と締めくくりました。

イメージ写真

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