受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

藤嶺学園藤沢中学校

2022年9月7日(水)

自学自習の姿勢を培うとともに、伝統文化を通して人間性を養う

 藤嶺学園藤沢中学校・高等学校は、時宗総本山・清浄光寺(遊行寺)の僧侶養成機関「時宗宗学林」を前身とする、創立107年の男子伝統校です。建学の精神に「質実剛健」「勇猛精進」を掲げる同校は、「柔軟な発想と旺盛なチャレンジ精神を持ち、国際社会に太刀打ちできる、21世紀のリーダーの育成」をめざしています。

 この日のオンライン説明会では、教頭の廣瀬政幸先生が教育理念や学校生活、進学指導などについて紹介しました。まず、同校が力を注ぐグローバル教育について触れ、「国際社会で活躍するには、まず日本人としてのアイデンティティーを持ち、自国の伝統文化について、海外の方に理解を促すことが必要です。本校は遊行寺境内に隣接し、生徒は本堂の前を通って登校しているので、日本文化に親しみやすい環境にあります。また、自国の伝統を継承するような教育を実践しています」と語りました。

 茶道を6年間、剣道を5年間必修としていることはその表れです。目的は、礼儀作法、物を大切にする心、節度ある人との接し方、美しい所作、おもてなしの心など、日本人としての美徳を学ぶことです。その集大成として、中3では「卒業茶会」、高2では「修了茶会」を、それぞれ保護者を招いて開催します。「生徒たちは、陶芸の授業で制作した茶器でお茶を点て、保護者に振る舞います。気持ちのこもったおもてなしと立派な所作を見て、その成長ぶりに保護者の方々も感動します」と廣瀬先生は話しました。

 一方、語学教育にも力を入れています。中1の体育の授業は、ネイティブ教員が英語で行い、中2以降は週2コマの英会話を実施。中3では英語レシテーションコンテスト、高校では英語スピーチコンテストを行うなど、英語を使って「楽しみ、親しむ」ことを授業で実践し、コミュニケーションする力を養っています。また、中3・高1の希望者は中国語の講座を選択できるなど、アジアに目を向けた国際理解教育も推進しています。

 また、学習面・生活面ともに「習慣づけ教育」を実践しているのも特徴です。たとえば、同校では仏教の教えに基づき、昼食時は合掌してから食事をとるほか、授業の前後にも黙想で精神統一をしてから臨みます。さらに、毎日の学習や生活のスケジュールは「生活ノート」で自己管理します。これは、一日の感想などを書き込んで担任の先生に提出すると、コメントとともに返却されるというもの。自立へと導くだけではなく、教員と生徒のコミュニケーションツールとしても役立てています。また、中学校の部活動は週3日(月・木・土)までとし、それ以外の放課後は、「TASL(Torei After School Learning)」という自学自習プログラムを展開しています(中1は必修、中2・3は希望制)。放課後に2時間、宿題や予習・復習を行うことで、自学自習の習慣が身につくほか、学習の優先順位や勉強の仕方なども指導しています。

 進学指導では、中1は「自主研修」「研究発表」を通して、問題解決能力やプレゼンテーション力を育成します。中2は「職業講演会」「研究発表」を行い、職業に対する興味・使命感を養成。中3は「職業体験」「卒業研究レポート」を経て、大学を意識したプログラムへと移行します。また、高校では高2から文系・理系に分かれて、高3では国公立大学・私立大学受験に対応したカリキュラムで学びますが、文系でも数学、理系でも国語の授業が必修となっています。これについて廣瀬先生は「大学受験がゴールではありません。世界で活躍するには、幅広い学びが必要だと考えています」と語りました。このほか、卒業生を学習サポーターに迎えて行う希望制の勉強合宿、曜日ごとに異なる教科の講座が受けられる特別補講など、さまざまな進学イベントを行っています。また、高校では、中学からの一貫生と高校からの入学生とは3年間別のクラス編成でしたが、2023年度から高2に「国公立大進学に特化した混合クラス」が新設される予定であることが伝えられました。

イメージ写真 JR・江ノ島電鉄「藤沢」駅、小田急江ノ島線「藤沢本町」駅から徒歩約15分。キャンパスには、二つの人工芝グラウンド、武道場、茶室、陶芸室、新学生食堂などがそろっています

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