受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都市大学付属中学校

2022年9月14日(水)

学習意欲を高めるコース制。多彩な科学実験で観察力・思考力・表現力を養う

 建学の精神に「公正・自由・自治」を掲げる東京都市大学付属中学校・高等学校は、「誠実・遵法・自主・協調」という校訓の下、知的好奇心を起点とした教育を実践し、学力の強化を図るとともに、生徒が主体的に学び、探究する姿勢を育んでいます。

 オンライン説明会の冒頭、今年4月に校長に就任した篠塚弘康先生が次のように述べました。「めまぐるしく変化する社会のなかで生きていくためには、高い学力はもちろんのこと、論理的思考力や想像力、対人関係力など人間力を高めることが重要です。本校では、質の高い授業と行事、部活動を通して人間力を育み、社会でリーダーとなる人材に育てていきます」

 次に、広報部の菊野暁先生が教育プログラムについて説明しました。コース制を採用する同校では、Ⅱ類とⅠ類という二つのクラス編成をとっています。最難関の国公立大学をめざすⅡ類は入学時に2クラス設置され、難関国公立大学・私立大学をめざすⅠ類は入学時に4クラス設置されます。生徒は入学試験時にⅡ類かⅠ類のいずれかを選択し、中1のクラスが決定します。中学入試ではⅡ類・Ⅰ類とも同じ問題が出題されますが、合格最低ラインが異なります。入試の得点によってⅡ類からⅠ類へ、Ⅰ類からⅡ類へのスライド合格も可能です。入学後の学習の進度は同じですが、Ⅱ類では演習問題の難易度や宿題の内容が異なり、より深く学んでいきます。学力に応じてⅠ類からⅡ類への転類も可能で、学年が進むにつれてⅡ類のクラスが増えていきます。

 同校が大切にしているのは、「自ら探求、発見し、未来を切り拓く学び」です。特に重視しているのが、六つの実験室を使った科学実験です。その時間は週に1回、2コマ連続で設けられていますが、そこでは「観察→考察→表現」のサイクルを繰り返し、21世紀に必要な観察力・思考力・表現力を養っていきます。中学では、生物・化学・物理分野から約60のテーマを扱い、科学的思考の基礎を身につけていきます。

 生徒がみずから進んで課題に挑戦し、疑問を解決する力を養うための自学自習も欠かせません。中学では、英語と数学で毎週小テストを実施し、苦手科目がある生徒への指名制の基礎補習を行います。希望者対象の応用講座も開講し、その結果として、多くの生徒が「日本ジュニア数学オリンピック」にチャレンジしています。また、長期休暇中には集中講習が行われるほか、高1は3泊4日、高2・3は5泊6日の学習合宿があり、大学入試に向けた実践的な演習を行っています。放課後にはカフェテリアや進路指導室を自習室として利用でき、卒業生の東大生チューターが常駐して学習をサポートしています。

 授業以外の学びも充実しています。中1・2が参加する弁論大会は、自分の意見を論理的に表現する力を磨く場です。身近な出来事から政治・環境・国際問題まで、自分で選んだテーマを深く追究したうえで、意見を表明します。最初にクラス予選が行われ、そこで代表弁士に選ばれると、次は500人の前でスピーチをします。また、高1での中期修了論文は、自分の興味・関心のあるテーマについてゼミ形式で学び、4000字の論文を執筆するというものです。これが進路選択のきっかけにもなっています。

 「勉強もクラブも100対100」をモットーにする同校では、クラブ活動も活発です。週3日の活動日を有効に活用し、地区大会や全国大会でも好成績を挙げています。全力で文武両道を実践する校風は、2022年春の大学合格実績にも反映され、現役だけで東京大学11名、京都大学4名、国公立大学医学部医学科5名という結果を残しています。

 2023年度は、2月1日午前入試が新設されます。これに伴い、ほかの試験日についても変更点があるとのことです。詳細は学校ホームページをご確認ください。

イメージ写真 小田急線「成城学園前」駅から徒歩10分。明るい校舎と照明付きの広い人工芝グラウンドは、同校自慢の施設の一つです

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