受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大妻中学校

2022年9月15日(木)

みずから考える力を身につけ、多様な価値観を尊重する女性を育てる

 1908年に大妻コタカが24歳で創立した私塾を前身とする大妻中学高等学校は、社会に貢献する女性の育成をめざす女子伝統校です。「社会で50年輝き続ける女性の育成」を掲げ、グローバル教育やプログラミング教育なども推進しています。

 今年度、校長に着任した梶取弘昌先生は、冒頭で同校の生徒の印象について「大妻に『良妻賢母』のイメージを抱く方もいますが、実際の生徒たちはとてもパワフルで、多様性に富み、お互いを認め合っています。こうした生徒一人ひとりの『自分らしさ』を伸ばすのが、本校の教育です」と話しました。また、校訓の「恥を知れ」については、「他人に言うことではなく、自分を律するものであり、日々の恩恵に感謝し、自分を高める努力を怠らないためのことば」と説明しました。また、真の学力も、「生徒たちが自立・自律し、みずから調べ、みずから考えるからこそ生まれる」とのことでした。梶取先生は「どの大学に行っても人生のレールはなく、自分の将来は、自分で考えなければなりません。加えて、生徒には将来、多様な価値観が認められる社会で生きてほしいという願いもあります。男女の役割もさまざまです。女性が社会で活躍し、男性が家庭を守るのもいいし、その逆も間違っていません。6年間でみずから考える力を伸ばし、多様性を尊重できて幅広い世界に羽ばたける女性を育てていきます」と語りました。

 次に、教育の特色について、教頭の輕部美佐先生が説明しました。同校では自立心を育むために、体験の機会を多く設けています。その代表例が生徒主体で企画・運営する行事や委員会です。たとえば、中学生全員で行う合唱コンクールでは実行委員の主導の下、生徒は自主的に練習に励むほか、審査も生徒が基準を守りながら責任を持って行います。体育祭では毎年高3生が一つになって行う創作ダンスがあり、振り付けは生徒が意見を交わしながらすべて考え、ダンス委員が学年全体に指示を出します。「リーダーシップを持つ生徒も、裏方で活躍する『縁の下の力持ち』タイプも自分で考えて行動します。このほか、委員会や通常授業でも自主的に活動するチャンスを多く用意しています」と強調しました。

 同校では人間力の養成も重視しています。まず、ふだんはにぎやかでも来校者には礼儀正しく振る舞える生徒が多いとのこと。「たとえば、本校には各教科の学期末の授業で、生徒が教員に『1年間お世話になりました』と伝える習慣があります。クラス担任の助言で始まることですが、このような経験を繰り返すうちに自然と、時と場合によってふさわしい行動ができるようになります。こうして身につけたことは一生の財産となるでしょう」と輕部先生は語りました。

 また、人間力とともに求められるのが「確かな学力」です。同校では中1で自学自習の習慣を確立させるため、中学に入学して最初の中間考査が終了するまでは部活に入部させません。中間考査後も担任が生徒一人ひとりに面談を実施し、学習法の見直しや学習計画表の作り方などをていねいに指導します。小テストも頻繁に行い、成績不振の生徒は補習を受けます。

 グローバル教育や英語教育も重視しています。昨年度から中1の英語に「グローバルスタディ」という授業が1コマ増えました。その目的は、コミュニケーション力や異文化理解、課題解決など、国際社会で必要な素養を育むこと。さらに、グローバルな取り組みは課外活動にも広がっています。その一つが模擬国連です。同校は全日本高校模擬国連大会にも参加し、2019・2020年の2年連続で優秀賞を獲得しました。

 卒業生の進路は国内大学の文系・理系学部のほか、芸術系学部、海外大学など多岐にわたるため、進学指導にも注力しています。高1の段階で「進路を考える宿泊研修」があり、大学生のOGにアドバイスを聞く「先輩を囲む会」、20以上の大学の講師による「大学模擬講義」を行うなど、進路への意識を高めていることが伝えられました。

イメージ写真 地下1階・地上9階建ての校舎には、約4万3000冊の蔵書がある図書館、二つのアリーナ、和室など施設・設備が充実しています

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