受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

江戸川学園取手中学校【医科ジュニアコース】

2022年9月22日(木)

医学部受験に特化したカリキュラムで、「高い志」を実現

 「心豊かなリーダーの育成」をめざす江戸川学園取手中・高等学校は、雄大な利根川のほとりに立地する「規律ある進学校」です。1978年に高校が、1987年に中学が創立されて以来、「心力・学力・体力」のバランスの取れた三位一体の教育を実践しています。現在、中学には「東大ジュニアコース」「医科ジュニアコース」「難関大ジュニアコース」があり、生徒が希望する進路に合わせて質の高い教育を行っています。

 この日のオンライン説明会は、「医科ジュニアコース」と、その接続先となる高校の「医科コース」にフォーカスした内容で行われました。進路指導部部長で医科コース長の熊代淳先生は、同コースの特徴として「目標進路を医学部医学科に絞っていること」を挙げると、「医学部受験が他学部受験と異なるのは、そこで合格しない限り、後に続く進路、つまり『医師になる』という夢を実現できないということです。医師への夢を実現するためには、医学部受験に関するノウハウがあり、同じ志を持つ生徒が多く集まる教育環境が必要不可欠と考えています」と述べ、その役割を強調しました。

 まず、生徒たちを医学部合格に導くための施策として紹介したのが、「イベント教育」です。ふだんは入れないような病院の集中治療室や手術室を見学したり、大学の研究室に足を運んで研究医の仕事について見識を深めたりと、さまざまな企画を準備しています。また、月に1回の「医科講話」では、第一線で活躍する現役の医師による講演や質疑応答など、生徒との双方向的なコミュニケーションの場も設けています。熊代先生いわく、「中学の間は、偏差値を上げるよりも、医師へのモチベーションを向上させることが大切」とのこと。医学部受験は苦しい道のりだからこそ、ここで得た経験が心の支えになるのです。

 高校の「医科コース」に進級すると、学校設定科目「メディカルサイエンス」が始まります。この科目では、医学部入試で課される面接や小論文対策を行ったり、3学年を縦割りのグループに分けて、科学実験や課題研究に取り組んだりと、医学部入試対策と理数教育の両面で医師の素養を磨いていきます。現在は新型コロナウイルスの流行により中止されていますが、カリフォルニア大学サンディエゴ校で医学部生と交流する「アメリカメディカルツアー」も好評です。こうした試みを通して、「医師を志すきっかけを、過去形ではなく動機という未来形に切り替えていってほしい」と熊代先生は話しました。

 続いて、近年の医学部受験の傾向をデータで示しながら、同コースの医学部受験指導について具体的に説明しました。強みはなんといっても、過去に蓄積された膨大なデータとノウハウです。そこから、生徒一人ひとりに適した志望校を導き、それに合わせた受験指導を行っています。学力面では、日々の取り組みを細かく振り返りながら学習を進めていくほか、校内の自習スペースを充実させ、学習習慣の定着を図ります。熊代先生は、「医学部には、何か特別な勉強が必要と思われがちですが、それは違います。基本を徹底すれば受かるのが、医学部です」と力強く語りました。保護者からは「学校の授業と自学だけで医学部に合格できますか」という質問がよく寄せられますが、「もちろんできます。そのために本校の医科コースは存在すると思っています」と答えているそうです。

 2023年度の中学入試は、5科目型・英語型・適性型・帰国生の四つの形式で実施されます。特徴は、どの形式にも英語が課されることです。5科目型と適性型の場合、英語はリスニングのみで、試験時間は20分、配点は50点です。出題レベルは「小学校の検定教科書と同等」とのことです。中等部入試担当の遠藤実由喜先生は、「小学校での授業を大切にし、“聞く”ことに慣れていれば、十分に対応できる問題です」とアドバイスしました。

イメージ写真 千葉県鴨川市にある亀田総合病院見学ツアーでは、CSSトレーニングセンターで生徒たちが本物の注射器と人形を使って、採血の体験をします

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