受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

洗足学園中学校

2022年9月27日(火)

激変する未来社会でも輝き続けられる人を育成

 1924年、創立者の前田若尾先生が自宅敷地内に創設した私塾を出発点とする洗足学園。同校はミッションスクールではありませんが、創立者が敬虔なクリスチャンであったことから、聖書「ヨハネによる福音書」第13章にある「あなた方も互いに足を洗い合えるような謙虚で慈愛に満ちた気持ちを持ちなさい」というイエスの弟子たちへのことばに由来した校名がつけられています。

 この日のオンライン説明会で、校長の宮阪元子先生は「洗足学園の歴史をひと言で表すならば、『女性の自立に向けた挑戦』です」と述べました。教育目標の「自立」「挑戦」「奉仕」については、「どれだけ月日が経っても変わらず、大切に継承しています」と強調。その一方で、「教育の中身やシステムについては、時代に合わせて積極的に改革を進めていきます」と伝えました。その方針が明確に反映されているのが教育環境です。各教室にはホワイトボードとプロジェクターを完備し、生徒たちは自分のパソコンを使ってプレゼンテーションを行うなど、ICT教育にも注力しています。

 教育の特徴としては、文系・理系を問わず全員が5教科を必修で学ぶ6年間のカリキュラムが挙げられました。中高6年間にできるだけ多くのものに触れ、幅広く奥深い知識を身につけることによって、文系学部に進んだ生徒も理数的な思考力を獲得できるそうです。そのため、大学進学後、就職時に進路選択の幅が大きく広がります。

 また、学校行事はすべて生徒たちが主体となって企画・運営し、模擬国連や海外のコンペティションなど「他流試合」と呼ばれる学外活動へのチャレンジも推奨しています。2021年には、Harvard International Reviewが主催する「Harvard International Review Academic Writing Contest」で中3の生徒が最高位の「Gold Medal」を受賞しました。さらに、心を育てる教育として、中学の音楽の授業では、バイオリン・トランペット・フルート・クラリネット(上級学年ではチェロも追加される)のうち一つを習得します。美術・書道にも力を注ぎ、茶道・華道にも取り組んで、豊かな情操を育んでいます。

 最後に、宮阪先生は「卒業式に参列したときに、生徒一人ひとりが『洗足学園で6年間学べて本当によかった』と思ってくれるよう、わたしたち教員は陰から支え、寄り添っていきたいと考えています」と結びました。

 次に、入試広報責任者の玉木大輔先生から、教育内容の説明がありました。同校では、これからの知識基盤社会で求められる「汎用的な技能・態度・志向性」を養成するため、主体的で対話的な深い学びを重視しています。玉木先生は「研究論文の作成などの探究的活動でリテラシー(思考)力を高め、答えがない問いに対峙する『哲学的対話』や部活動などを通してコンピテンシー力(行動特性)を養います。生徒たちはそれらの力を発揮しながら、学内外の活動に積極的に取り組んでいます」と話しました。

 授業は週6日制・1コマ65分で行われ、教科横断型の学びを多く取り入れていることも特徴です。家庭科では英文で書かれたレシピに沿って調理実習を行うなど、複数の教科を融合した授業が頻繁に行われているそうです。

 このような充実した教育の成果は卒業後の進路にも表れ、2022年春は東京大学20名を含め国公立大学に78名、医学部医学科に32名、早慶上理に358名が合格しました。玉木先生は「海外大学への進学にも対応しており、幅広い進路希望をかなえるノウハウとサポート態勢が整っていることが最大のポイントです」と結びました。

 2023年度入試では、すべての試験が4科型に変更されることが発表されました。時間は国語・算数が各50分、社会・理科が合わせて60分です。配点は国語・算数が各100点、社会・理科が各75点の合計350点となります。

イメージ写真 今夏に新設された茶室「緑叡庵」。この他にも、今年4月にリニューアルした図書館「SKYLIGHT READING ROOM」など恵まれた教育環境の下、生徒たちは充実した学園生活を過ごしています

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