受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立武蔵高等学校附属中学校

2022年9月16日(金)

カリキュラムを一新。中高一貫の充実した学びで国際社会に貢献するリーダーを育む

 都立武蔵高等学校附属中学校は、前身である東京府立第十三高等女学校の設置から80年以上の歴史を持つ伝統校です。2008年に附属中学校を併設し、中高一貫教育校となりました。さらに、2021年度に高校募集を停止し、完全中高一貫制をスタートさせています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、統括校長の南和男先生が「本校には『豊かな知性と感性』『健康な心と体』『向上進取の精神』という教育目標がありますが、そのなかで特に大切にしているのが『向上進取の精神』です。どんな困難も乗り越えていく精神を鍛え、国際社会に貢献できる知性豊かなリーダーの育成をめざして教育活動を行っています」と述べ、具体的な教育内容について説明しました。

 最初に紹介されたのが、今年度からスタートした新カリキュラムです。平日の授業は45分×7コマとし、授業時間を十分に確保しました。そのうえで、土曜日は模擬試験、各種講習、検定対策学習、自由課題の個人研究、部活動などに活用します。

 続いて、南先生は同校独自の「地球学」について説明しました。これは、地球的規模のさまざまな課題について仮説を立て、探究活動に取り組み、解決策を考えていく授業です。中1から高1までの4年間は体系的な学習活動となっており、SDGs(持続可能な開発目標)と関連したグループ研究・発表を通して、主体的・対話的で深い学びを実践しています。中1を基礎講座、中2を発展講座、中3を応用講座と位置づけており、尾瀬サマーキャンプ(中1)、結い(農業)体験学習(中2)、関西方面への修学旅行(中3)などの学校行事とあわせて、貴重な学びの場となっています。また、中3では、生徒が参加国の大使になり、「海洋プラスチック問題」「気候変動問題」などを議論する「模擬国際連合」も実施します。高1になると「個人課題研究」の集大成として、論文執筆に取り組みます。南先生は「『地球学』で身につけた考え方は、ほかの教科や科目にも反映され、大学入学共通テストや国公立大学の2次試験にも対応できる力が鍛えられます」と強調しました。

 英語教育や理数教育にも力を入れています。「TOKYO GLOBAL GATEWAY」(中3)、オーストラリア語学研修(高1)、台湾・韓国・アメリカとのオンライン交流会(中2・3)など、生きた英語力を培う機会が豊富にあります。英検®にも積極的に取り組み、2021年は中3生の3人に1人が2級以上を取得しました。理数分野でも、多くの生徒がU22プログラミングコンテストや国際科学オリンピックなど国内外のさまざまな学術系コンテストに挑戦し、優秀な成績を収めているそうです。

 同校では、「自学自習」「自主自律」をモットーに、希望する進路の実現に向けた計画的・継続的な指導が行われています。「朝読書」や、チューターがサポートする放課後の「勉強会」で自学の力を培うほか、高1の「スプリングセミナー」では予習・復習の方法や、ノートのまとめ方などを確認し、主体的な学習姿勢を養います。南先生は「本校では、中1から高3まで定期的に『模試分析会』を行い、教員の指導力の充実を図っています。生徒一人ひとりの学力のデータが蓄積されているので、的確な進路指導が可能になります」と話します。

 一方、将来の進路について考えさせる社会人講話や職場体験のプログラムも中学段階から実施されています。今年は卒業生の案内による東京大学キャンパス訪問(中3)がありました。高校では、大学模擬授業、ウインターセミナー(難関国公立特別講習)、夏期講習などを開講。こうした取り組みの成果は大学合格実績にも表れ、2022年は既卒者を含め、国公立大学に88名が合格しました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 同校では教育の一環として学校行事を重視し、部活動も盛んです。今年度は中学ラグビー部、高校水泳部が関東大会に出場しました

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