受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

三輪田学園中学校

2022年9月20日(火)

豊かな人間性と高い学力を兼ね備えた、自分の力で未来を切り拓いていける女性に

 東京都心の桜の名所として知られる外濠公園に面した場所にキャンパスを構える三輪田学園は、今年で創立135年を迎える女子伝統校です。2015年には隣接する法政大学と高大連携協定を結び、高大連携講座や特別聴講制度の導入、法政大学全学部への推薦枠の拡大などを進めています。

 あいさつに立った校長の塩見牧雄先生は、同校が掲げる教育理念「徳才兼備」について、「徳」は豊かな人間性を、「才」は高い学力を意味し、「徳と才の二つを兼ね備えた女性を育てる」という意味が込められていることを説明しました。そのうえで、「学園が創設された明治時代においては、女性の教育方針といえば『良妻賢母』が主流でした。そのような時代に創立者の三輪田眞佐子は、『女性であっても学問を身につければ、自分の手で人生を切り拓いていける』と説いたのです。時代によって求められる能力は変化しますが、人としての心がけは普遍的なものであり、本校の校訓『誠のほかに道なし(誠実であることが人として最も大切な在り方)』にも通じます。その精神を受け継ぎ、生徒たちが自分の手で未来を切り拓いていくための力を養うことを第一に考えている学校です」と結びました。

 近年、同校が特に力を入れてきたのが「英語教育」と「ICTの活用」です。英語教育の特徴として、英語科・進路指導部副部長の藤田純平先生が挙げたのが「各自の英語力に合わせたクラス編成」「ICTの活用」「海外進学を見据えた豊富な英語体験」の三つです。中学では入学段階での英語力によって、英検®未取得者を対象としたStandardクラス、4級(かつCSE1000点以上)~3級取得者対象のAdvancedクラス、準2級以上取得者が対象のHonorsクラスに分けて、習熟度別で授業を行っています。Standardクラスに所属することになるほとんどの生徒は、基礎からしっかりと学ばせます。Advancedクラスでは、基礎を押さえながらも、授業の進度はやや速くなり、グループワーク・スピーキング・プレゼンテーションなどの発信力を高める手法も導入されます。ネイティブ教員による取り出し授業が中心となるHonorsクラスでは、調べ学習・プレゼンテーション・ディスカッション・エッセイライティングなどに取り組み、英語運用能力を伸ばします。全クラスに共通しているのは、小テスト・振り返り・定期考査のサイクルにより、知識の定着を図る点です。定期考査後には訂正ノートを活用するなど、学習習慣を養う取り組みも行っています。さらに、今年度からは高校にSuper Englishクラスを新設しました。従来のクラスよりも英語の授業数を2コマ増やし、いっそう充実した教育を実践しています。イングリッシュキャンプ、サマースクール、語学研修など、英語力をブラッシュアップする機会も充実しています。今年度は3年ぶりに、カナダ、イギリス、マルタ共和国での語学研修が実施され、中3~高2の希望者が参加しました。

 同校では2018年度から生徒全員がタブレット端末を所有するようになったのに伴い、校内のWi-Fi環境を整備しました。ICTスキルを活用する授業の一つが「総合的な学習の時間MIWADA-HUB(中学)」と「総合的な探究の時間MIWADA-LAB(高校)」です。中学のMIWADA-HUBは大学のゼミのような形式で行われ、生徒は複数の専門分野から自分の興味のある講座を選択したうえで、グループワーク・情報収集・整理分析のノウハウを学び、情報発信へとつなげます。そのスキルを生かして、高校のMIWADA-LABでは教科の枠を超えて、生徒が主体的に課題を設定します。一人ひとりのキャリアを見据えた課題にまで発展させながら、探究の成果をまとめ上げるのです。また、三輪田学園の特徴的な授業として、中1の国語科と中3の社会科に設けられている「読書」の時間が紹介されました。本から得た知識をもとに考察し、表現力を磨きながら、中3では卒論を仕上げますが、「このときのテーマが将来の進路の決め手となった」という生徒も多いとのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 放課後には大学生メンターが指導に当たる「まなびクラブ」が開設されるなど、サポート体制も万全。昨年度リニューアルされた制服は、複数のアイテムを各自が選んでコーディネートできます

www.miwada.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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