受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

淑徳巣鴨中学校

2022年9月30日(金)

「気づきの教育」で生徒一人ひとりの興味・関心を深め、可能性を最大限に引き出す

 1919年に浄土宗僧侶の長谷川良信により創立された社会福祉施設から発展した淑徳巣鴨高等学校は、1996年に中学校を開校させ、男女共学の中高一貫教育を確立しました。教育理念を「自分を取り巻くすべてのことに感謝し、ご恩返しをすること」を意味する「感恩奉仕(かんのんほうし)」とし、社会に貢献できる人材を育成しています。

 この日のオンライン説明会で入試広報部長の石原克哉先生は、「AI時代、IT時代といわれて久しい昨今、本校では時代の変化に対応できる思考力・判断力・表現力を養う教育を展開しています。その一方で、時代が変化しても変わらず必要な力があると考えています。それを育むために取り組んでいることの一つが『気づきの教育』です」と語りました。

 この「気づきの教育」とは、教えてもらうだけではなく、生徒がみずから気づき、興味・関心を深めて、能力を伸ばしていくものです。「気づき」のきっかけとなるのが、中高6年間で実践されている多種多様なプログラムです。気づきとチャレンジを繰り返す「気づきの連鎖」によって、生徒一人ひとりの成長を促していると石原先生は言います。

 その一例として挙げられたのが、探究学習プログラムです。中1では自己を見つめ直して発表を行う「自分史ワーク」に、中2では1人1台のタブレットPCを使って映像や音楽で学校を紹介する「ムービーワーク」にそれぞれ取り組みます。中3では社会問題をテーマとした卒業論文を執筆し、プロジェクターを用いたプレゼンテーションも行います。探究学習は高3の弁論大会まで続き、6年間かけてじっくりと思考力・判断力・表現力を培っていきます。

 また、学校生活のさまざまな場面で活躍する生徒を「BEST STUDENT」として表彰する「ほめる教育」も実践しています。「自分では気づかない強みや個性、可能性を引き出すことが狙いです。自己肯定感を高める効果もあります」とのことです。気づきの教育の一環として、文武両道を推進しており、「生徒たちには、学習にも部活動にも行事にも、すべて全力投球で取り組もうと伝えています。忙しい生活のなかでも各自が目標に向かってチャレンジし、成長していきます」と石原先生は語りました。

 学習指導では「やらされることからの脱却」のため、日々の学習生活や今後の目標を記録する「チャレンジノート」を活用しています。主体的に学習する習慣を身につけられるよう、教員や保護者もノートをチェックするので、コミュニケーションツールにもなっているそうです。また、放課後には「レベルアップ講座」、同校出身の大学生チューターが学習をサポートする「SSC(Saturday Sunday Club)」などもあり、フォロー体制は万全です。

 同校では学習効果を高めるため、中学入試の段階で、最難関国公立大・最難関私立大をめざす「スーパー選抜コース」と、有名私立大をめざす「特進コース」とに分けて募集を行っています。石原先生は「学年を挙げて一人ひとりをていねいに見ていきます。本校では高校募集も行っていますが、中高一貫生と高校からの入学生とは異なるカリキュラムで学びます。2022年度には初めて東大合格者を輩出することができました」と述べました。

 キャリア教育にも力を注いでいます。企業人や大学教授など第一線で活躍する社会人を講師に招く「スポンサー講座」、約50もの大学が同校のアリーナにブースを設けて個別相談に応じる「大学入試相談会」などを開催し、早い段階から大学受験に臨む意識を高めていきます。石原先生は最後に「探究学習のプログラムを始めてから、総合型選抜を利用して志望大学に現役で進学を決める生徒が増えています」とつけ加えました。

イメージ写真 都営三田線「西巣鴨」駅より徒歩3分。そのほか、複数の路線が通学に利用できます。池江璃花子選手が所属していた水泳部をはじめ、全国レベルで活躍するクラブが多数あります

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