受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

千代田国際中学校

2022年10月3日(月)

課題解決型のプロジェクト学習と国際教育で“チェンジメーカー”を育てる

 2016年に武蔵野大学と法人合併した千代田女学園中学校・高等学校は、2018年に高校を武蔵野大学附属千代田高等学院に改称するとともに共学化し、国際バカロレアの認定校となりました。募集を停止していた中学校も、2022年度より千代田国際中学校として再出発しました。

 大阪府立箕面高校と武蔵野大学中学校・高等学校とで校長を務め、海外の名門大学へもたくさんの進学者を送り出した経歴を持つ校長の日野田直彦先生は、「日本では授業でプレゼンテーションをする学校が増えていますが、他の生徒の反応が薄いのが難点です。海外ではスタンディングオーベーションもあれば、ブーイングも起こります。また、この学校の生徒ではありませんが、海外において、ドレスコードでタキシードを求められていた交流パーティーで、リクルートスーツを着用してしまったという失敗談も聞きました。ダイバーシティをうたう本校では、国際教育の一つとして、世界の常識やマナーを身につけることも重視していきます」と語りました。

 同校では次のような三つのタイプの学習が行われています。まず、平日の午前には、従来の講義型授業を中心とした「SBL(Subject Based Learning)」で教科ごとの基礎知識・技能を習得し、さまざまな活動を支える土台を固めます。また、平日の午後には課題解決型のプロジェクト学習に挑戦する 「PBL(Project Based Learning)」を実施します。ディスカッションや哲学対話などを盛り込みながら、幅広いアプローチで物事を追究し、知識をアウトプットするスキルを培うことが狙いです。さらに、SBLとPBLを掛け合わせた授業も取り入れています。たとえば、理科と技術家庭を融合した内容で「溶けないアイス作り」に挑戦するなどして、生徒の知的好奇心を刺激しているそうです。そして土曜日には、視野を広げる多彩なプログラム「LAP(Liberal Arts Project)」を開講しています。外部施設での校外学習やゲスト講師による講義を行い、実体験から学びを深めていきます。

 部活動の代わりとなる「アクティビティ」は実費での参加となります。同校は2期制のため、1年間で違うアクティビティを選択することも可能で、プログラミング、英会話、3×3(3人制のバスケットボール)、エスコートダンスから選びます。「海外では同じ仲間とずっと行動し続けるタイプよりも、多くの人と多様な経験を積み、どこでもチームプレーができる人材が求められている」という理由から、従来型の部活動ではなくアクティビティを導入したそうです。

 英語教育では、全員が高3までに、英語圏の大学の受験をする際に求められる「TOEFL80点」の獲得をめざします。日野田先生が2019年、前任校である武蔵野大学高等学校の海外研修を企画・同行し、マサチューセッツ工科大学の「起業家精神を育てるためのプログラム」に参加したときのエピソードも紹介されました。日野田先生は「その場にいた起業家や大学生にアイデアを評価され、『一緒にチームを組まないか』と誘われた生徒は、高校入学時点で英検®3級に合格できていませんでしたが、そこからやる気を出し、2年後にはTOEFL100点をクリアしました。もちろん演習授業など、英語力を高める指導も徹底しましたが、こうしたモチベーションを上げる機会を与えるのが本校の使命なのです。日本人は優秀なので、世界から求められることも珍しくありません。多様なことに挑戦すべきです」と力説しました。2022年度は19名の卒業生が「海外の大学ランキングで東京大学よりも上位」にランクインしている大学に合格したそうです。今後、同校ではさらに海外の大学に進学しやすい環境を整えるとのこと。日野田先生は「日本は現在、少子高齢化で深刻な問題を抱えていますが、いずれアジアの他の国も直面する問題です。これを日本人が解決したら、世界を救う勇者になるでしょう。本校でチェンジメーカーとなって一緒にワクワクしませんか」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 ARC(アカデミックリソースセンター)は、アクティブラーニングスペースと個人学習エリアを備えた図書室です。授業、探究活動、課外活動、放課後の自習などに幅広く活用できます

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