受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

狭山ヶ丘高等学校付属中学校

2022年10月4日(火)

「自己観察教育」を実践し、高度な学力と現代のリーダーに必要な実力を養成

 狭山ヶ丘高等学校が埼玉県入間市に開校したのは1960年のことです。当初は女子校でしたが、1963年に共学となり、2013年に付属中学を開校し、中高一貫校となりました。「事にあたって意義を感ぜよ」を校訓に掲げ、みずからを深く見つめる心の教育「自己観察教育」を実践しています。また、難関大学合格をめざし、自学自習の姿勢を確立できるよう多彩な取り組みを行っています。

 この日のオンライン説明会は、教頭の北谷高志先生による教育内容の紹介からスタートしました。中学校では、6年間を見通した、効率の良い、密度の高いカリキュラムの下、基礎学力の定着を図っています。豊富な授業時間数を確保したうえで、英語・数学・国語は中3の後半から無理のない先取り授業が実施されています。小テストを毎週行い、習熟度をこまめに確認しながら進めています。また、午前7時20分からの「朝ゼミ」、放課後の「放課後ゼミ」、夏期講習、英検®対策講座など、正規の授業以外にもさまざまな学習の機会があります。北谷先生は「ゼミで授業の復習や発展的な応用問題に取り組み、学習内容をより深く理解して『自学自習』の姿勢を身につけていきます」と語りました。

 高校では、最難関国立大学への現役合格をめざすⅠ類(難関国立進学コース)、国公立大学や最難関私立大学への現役合格を目標とするⅡ類(特別進学コース)、学習と部活動に打ち込み、文武両道を実践しながらGMARCHをはじめとする難関私立大学への合格をめざすⅢ類(総合進学コース)、部活動に重点を置きつつ私立大学文系学部の受験に特化した授業を行うⅣ類(スポーツ・文化進学コース)の4コースを設置しています。中学からの内部進学生は基本的にⅠ類に進学しますが、生徒の希望によってはⅡ・Ⅲ類に進むケースもあるそうです。その結果、最難関国公立大学や難関私立大学に数多くの合格者を輩出しており、2022年度は既卒生を含めて東北大学や筑波大学など国公立大学・大学校に37名、早慶上理に33名、GMARCHに157名が合格しました。

 一方、多彩な行事も特色の一つです。中高の生徒が一堂に会して行う体育祭や文化祭をはじめ、宿泊研修や修学旅行・理科実習といった校外学習、英語スピーチコンテストなど、年間を通じてさまざまな行事があるほか、中学では軽登山も行っています。行事の説明を担当した中3担任の高橋奈央子先生は、「軽登山は心身の鍛錬になるだけではなく、チームワークの大切さを学ぶ場でもあります。独りでは途中であきらめてしまいかねない苦しい道のりも、仲間と励まし合いながらめざせば克服できます。頂上で仲間と味わう喜びはひとしおで、互いの大切さや思いやり、団結力のすばらしさなどを体感できる貴重な経験となります」と語りました。また、中1・2の「総合」の時間に行う農作業では、生命の尊さに触れながら、リーダーに求められる豊かな経験と責任感を養います。そして中3では成長の歩みの集大成として、生徒一人ひとりが各自の興味に沿ったテーマを設定し、4000字以上の研究レポートにまとめます。完成後は教員や他学年の生徒に向けたポスターセッションも行うため、プレゼンテーション能力も磨かれます。

 同校ではこのような生きた経験を通し、高い学力だけではなく、他者との違いを理解して受け入れる寛容性、視野の広さ、忍耐力、交渉力、問題解決能力、コミュニケーション能力なども培い、「現代のリーダー」の育成をめざしています。北谷先生は「現代社会は、正しさが可変的で、多様化しています。たとえば、マスクへの認識も2年前と現在とでは変化しているように、これからの時代は物事を複数の次元でとらえられる人材が必要です。問題を発見し、他者と協働して解決・打開をめざした模索を続けることのできる人物こそ、現代のリーダーにふさわしいと考えています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 ブレインストーミングの様子。同校では、生徒が必要な情報を整理し、考える術を身につけるためのこうした活動を多く取り入れています

www.sayamagaoka-h.ed.jp/juniorhighschool/ 別ウィンドウが開きます。

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