受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

捜真女学校中学部

2022年10月14日(金)

「捜真Vプロジェクト」で10年後の自分をイメージし、大学進学後の生き方を考える

 捜真女学校の歴史は、米国バプテスト派宣教師ネーサン·ブラウン氏の妻であるシャーロット・ブラウンが1886年、聖書印刷所の2階に、女子のための塾を開設したことから始まりました。それ以来、「キリスト教に基づき、真理の探究をなしつつ、人間形成の教育をする」という建学の精神の下、毎日の礼拝、聖書の授業、修養会などを通じて「愛の心の教育」を実践しています。

 この日のオンライン説明会では、校長の中山謙一先生が教育の特色について説明しました。同校では、中高6年間の学習を通して、生徒に「どう生きる人になるか」を意識させ、本質を理解したうえで「自分の思い・考えをことばにまとめ、正しく伝える力」を培っていきます。そこでは、「ことば」にフォーカスした教育を重視し、国語・英語ではプレゼンテーションやスピーチなどを積極的に取り入れて、アウトプット力を磨いているのが特徴です。定評のある英語教育については、全学年で習熟度別に少人数での授業を行い、同じ教科書を1年間で4~5回繰り返す「ラウンドシステム」を取り入れて、4技能をバランス良く伸ばしていきます。海外研修プログラム以外にも「TOKYO GLOBAL GATEWAY」での1日英語体験、校内で3日間英語漬けになる「English Camp」など、英語で表現する力を身につける機会が多くあります。

 幅広い分野で“本物”に触れ、心からの感動を味わう「本物体験」も大切にしています。チャペルにあるパイプオルガンは本格的なもので、生徒たちは毎日の礼拝で荘厳なオルガンの響きを間近で聴きます。音楽・体育・美術でも専門の指導者が担当し、芸術や競技の本質を学びます。

 そんな同校の進路指導の軸となっているのが、総合探究を中心とした6年間の縦断プログラム「捜真Vプロジェクト」です。生徒は10年後の自分をイメージして、学ぶ意味や将来の生き方を考え、1年ごとに目標を掲げ、次のステージへと進んでいきます。中1・2では「自分にはどのような力、価値があるのか」「他者にはどのような力、価値があるのか」「なぜ勉強するのか」「社会に出て何ができるのか」をテーマに学びます。中3の夏休みには「社会人の方にインタビューをしよう!」という課題が出され、実際に話を聞いて作成した「職業レポート」に基づき、クラスでプレゼンテーションを行います。このように生徒は6年間を通じて具体的なアクションを起こしながら、職業観、社会の変化、女性が働くことへの意識などについて多角的に学び、理解を深めたうえで大学進学後の自分をイメージします。

 放課後は、Study Hallと呼ばれる20分間の自習時間を設け、自学自習の習慣を確立します。また、放課後の自立学習システムとして、チューターが常駐する自習室も設けられており、生徒は部活動終了後の19時まで利用することができます。こうしたさまざまな取り組みの結果、同校では早い段階で自分の進路を意識する生徒が多く、高3の65%以上が学校推薦型選抜や総合型選抜で合格した大学への進学を決めるそうです。必要となる志望理由書や小論文などの指導については、複数の教員がチームを組み、生徒の志向や志望する大学・学部・学科に合わせてバックアップしています。

 説明会の後半では校内案内が行われ、チャペルや図書館、自習室などを見学することができました。説明に当たった教頭の島名恭子先生は、「本校はキリスト教の学校ですが、家庭での信仰の有無や宗教の種類は問いません。宗教教育を行っているのは、長い人生のなかで、生徒にとって一つの物差しとなるようにという考えからです。ぜひお嬢さんと一度来校していただき、建物の温かな空気を味わってください」と結びました。

イメージ写真 明るい光が降り注ぐ大きな窓と木の床が特徴的な校舎には、曲がり角が多く設けられています。あえて隠れたスペースを作ったのは、「思春期の生徒たちが独りで考えたり、友だちと話したりする場となるように」という思いからです

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