受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

富士見丘中学校

2022年10月7日(金)

一人ひとりに寄り添うていねいな教育で、英語力とグローバルな探究力を育成

 生徒一人ひとりの個性や資質に合わせた面倒見の良い教育を実践する富士見丘中学高等学校は、2015年から5年間、スーパーグローバルハイスクール認定校として実績を残しました。2020年度からは、グローバル人材を育成する文部科学省の「ワールド・ワイド・ラーニングコンソーシアム構築支援事業」のカリキュラム開発拠点校となっています。

 この日の説明会で、校長の吉田晋先生は、同校が長年力を注いできた探究学習に触れ、「本校では一人ひとりの特性をいち早く見いだし、ベストな方向に進めるよう後押ししています。その大前提として、中学校は“楽しい場所”であるべきです。友だちや教員と充実したかかわりを持ちながら、生徒がみずから考え、努力して取り組んだことが成果となって返ってくる楽しみを、ぜひ体感してほしいのです」と語りました。

 続いて、教務部長の関根淳先生が具体的な教育内容について説明しました。関根先生は、学校推薦型選抜や総合型選抜が拡大している近年の大学入試の傾向に触れ、「鍵を握るのは、小論文・口頭試問と英語力です。今後の大学入試では、大学でどんな学問をしたいかという意志・意欲をしっかり持っているかが重視されます」と強調しました。

 こうした状況を踏まえて、同校では「英語教育」「探究学習」「ICT教育」に力を注ぎ、多様な学びを通じて生徒の興味・関心を育てています。たとえば、自主研究「5×2」(中1~高2)では1年をかけて、生徒は自分で決めた研究テーマに取り組み、その成果を発表します。そこでは教員や外部の研究者から指導を受けることになり、問題を掘り下げて考える力、プレゼンテーション力、自分の考えをわかりやすく伝える手法、情報を共有する力などが養われます。

 ICT教育については、中1から全員がノートパソコンを所有し、日々の学習やプレゼンテーションに活用しています。英語の音読の指導も、生徒が自宅で録音したデータをやり取りしてスムーズに行われているため、発音や聞き取りの能力向上に効果を発揮しているとのことです。また、英検®やTOEFL®などの資格検定試験は、パソコンの画面上で操作して解答する形式にシフトしているため、パソコンを利用した「自宅でできるスピーキングテスト対策」も実施しています。

 定評のある英語教育に関しては、英語科主任の田中裕樹先生が説明しました。同校では、オリジナルのプリントを使った英文法や長文読解の学習、単語テストといった従来型の取り組みと、アクティブ・ラーニング型の授業を組み合わせた「新旧融合型の英語教育」を実践し、4技能をバランス良く磨いています。たとえば、中2~高2を対象にした週1回のマンツーマン英会話「Online Speaking」では、生徒は話せなかった内容や理解できなかった表現を「振り返りシート」に記入します。それを教員が添削し、翌週の授業での技能の向上につなげるのです。また、「週末ライティング」では、中1は英語日記を、中2以上の学年はエッセイを書きます。それに対してネイティブ教員が表現に関する添削を、日本人教員が論理構成についてのコメントをそれぞれ加えて返却します。生徒はその内容を確認した後にリライトするので、「書く力」を鍛えられます。文法は一部のコースを除き、日本人教員の授業で扱いますが、学んだ事柄は直後の英会話の授業に取り入れられ、表現の幅を広げる機会となっています。このほかにも、辞書を使わずに洋書多読に取り組む「Extensive Reading」(中3~高1)や、希望者が毎日通える「放課後英会話レッスン」など、多種多様なプログラムがあります。

 なお、中学校の英語の授業は学習歴に応じて4コースに分け、生徒のレベルに合わせてきめ細かく指導しています。田中先生は「全生徒の76%が、中学卒業の時点で英検®準2級を取得しています。中学から本格的に英語を学習し始める、いわゆる『ゼロベース』からの出発でも心配はいりません。学習歴があればそのアドバンテージを生かせます。全員が習熟度にマッチしたコースで安心して英語学習に打ち込める環境を整えています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 海外大学進学に向けて、TOEFL®、IELTS対策のAcademic EnglishやSAT Mathも設置しています。ロンドン大学キングス・カレッジと、オーストラリアのクイーンズランド大学からは指定校推薦制度対象校に認定されています

www.fujimigaoka.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

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