受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

淑徳与野中学校

2022年9月16日(金)

仏教精神に基づく人間教育を継承
感謝の心と、他者と共生できる力を育成

 尼僧・輪島聞声先生により、小石川伝通院境内に開設された淑徳女学校の分校が埼玉県に開校したのは1946年のことです。1948年に淑徳与野高等学校となり、2005年には中学校が併設されました。それ以降、大学合格実績を着実に伸ばし続け、首都圏有数の女子進学校としての評価を高めています。

 3年ぶりに対面での開催となったこの日の説明会は、学校生活を紹介する動画の上映からスタートしました。仏教主義に基づく情操教育、国際教育、キャリア教育、年間行事などの様子を伝える映像の合間に挿入されていたのは、卒業生インタビューです。同校での学びから刺激を受け、将来の指針を得たことなどを語るその生き生きとした表情に、同校が実践してきた教育の成果が表れていることがうかがえました。

 続いて登壇した副校長の黒田貴先生は、教育方針の柱として、高い品性を養う「情操教育」、豊かな感性を育てる「国際教育」、輝く知性を育成する「学習指導」の三つを挙げました。黒田先生は、「最も大切にしているのは『心の教育』で、建学の精神『女性の淑徳を養成する』に基づく人間教育を実践しています。生徒たちは年4回の仏教行事や週1コマの『淑徳の時間』を通して、感謝の心と、自然や他者と共存することの大切さを学んでいきます」と述べました。

国際教育とキャリア教育が充実
自学自習の姿勢を養う細やかな指導

 仏教における「共生」の精神は、定評ある「国際教育」でも生かされています。自国の立ち位置や隣人を知る機会となるのが、中2での台湾海外研修と、中3での京都・奈良修学旅行です。中2は年間14回開催される土曜講座で、台湾海外研修に向けて中国語を学習し、現地姉妹校の生徒と日本語・中国語・英語を駆使しながら交流を楽しみます。ほかにも、高2での全員参加によるアメリカ修学旅行など、世界8か国・地域の姉妹校や提携校と連携した多様なプログラムがあります。新型コロナウイルスの影響で、現在はほとんどのプログラムが停止されていますが、3か月間の海外語学研修「インターナショナルプログラム」は2022年度も実施される予定です。三十数名の生徒がアメリカ、カナダ、ニュージーランドへの渡航準備を進めているそうです。

 2022年春の現役での4年制大学進学率は96.5%でした。そのうち7割以上が国公立大学またはGMARCH以上の私立大学です。中等部教頭の小澤幸子先生は、「中高一貫のカリキュラムの下、先取り学習を導入していますが、後れをとる生徒が出ないようにフォロー体制を整えています」と説明しました。こまめに小テストを実施して理解度を確認し、不安な生徒には補習や長期休暇中の講習を課しています。また、「平日2時間、休日4時間」を合言葉に、自分で計画を立てて家庭学習に取り組むよう指導をしているとのことです。キャリア教育では、「ドリームワークショップ」「インパクト体験ワークショップ」といったプログラムを導入し、大学進学後の将来を見据えて自分自身と向き合う機会を設けているのも特徴です。

イメージ写真 高校校舎は2015年に完成。1学年は中学が3クラス、高校が9クラスですが、中学から入学した一貫生と高校からの入学生は別々のクラスに編成されます。高2からは希望進路別の4コース制となります

www.shukutoku.yono.saitama.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ