受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本大学豊山中学校

2022年10月3日(月)

人と人とがかかわる6年間で
多様性を受け入れる心を育てる

 日本大学豊山高等学校・中学校の前身は、真言宗豊山派によって1903年に開校された旧制豊山中学校です。全国に26校ある日本大学の付属中学校・高等学校または中等教育学校のうち、大学が直接運営しているのは11校ありますが、そのなかで唯一の男子校です。医学部医学科を含む多様な学部・学科を擁する日本大学への内部進学制度が利用できる一方で、国公立大学や難関私立大学、医歯薬系学部への進学者も多く、その受験指導力には定評があります。

 この日の説明会で校長の松井靖先生は、「本校の最大の特色は、多様性を受け入れる校風にあります」と語りかけながら、9月に劇場公開された映画『さかなのこ』を話題に挙げました。この作品は、さかなクンの半生を描いた話題作で、監督を務めた沖田修一氏と脚本を手掛けた前田司郎氏とは、共に同校の卒業生とのことです。「冒頭に出てくる『男か女かはどっちでもいい』ということばが、2人の卒業生からのメッセージだと感じます。好きなことにとことん打ち込む人がいて、それを受け入れて応援する人がいる。変わっていようと、平凡だろうと、それぞれの個性を受け入れて仲間になる。それが本校生らしさです」と結びました。

大学との連携教育で
早い段階から将来を意識させる

 次に、広報部長の田中正勝先生からは、学校生活について説明がありました。オリンピック代表候補選手を輩出した水泳部など、体育系クラブの活躍で知られる同校ですが、模型や鉄道など学芸部の活動も盛んです。「俗にいわれる『オタク男子』もたくさんいます。共通しているのは『好きなものに打ち込みながら、勉強にも手を抜かない』姿勢です。男子だけの環境だからこそ、自立を促す機会が多く与えられます」と田中先生は言います。

 時間管理を徹底させるために、同校が導入しているのが、企業などで採用されているPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルです。みずから作成した計画に基づいて学習し、自学自習の習慣や規則正しい生活リズムを習得させるほか、主要科目ではチームティーチングや習熟度別授業も導入するなど、きめ細かい指導を徹底しています。

 中学・高校・大学・大学院にわたる一貫教育体制の下、早い時期から将来を意識する機会が与えられているのも魅力です。中3の「日大学部見学会」をはじめ、法学部・経済学部・生産工学部との連携教育、単位履修の先取りといった制度が確立されています。中3からは希望進路別のクラス編成となり、国公立大学、難関私立大学、日本大学の医歯薬系学部への進学をめざす「特進コース」と、日本大学への進学に向けて確かな学力を築き上げる「進学コース」の2コースに分かれ、さらに高校では、学習とスポーツを両立させる「スポーツコース」が加わります。なお、日本大学の一部の学部では被推薦権を保持したまま国公立大学を受験することも可能で、中高一貫生の約2割は国公立大学や日本大学以外の私立大学に進学しています。

イメージ写真 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅からほど近い場所にある11階建て校舎には、蔵書数が約4万冊の図書館、3層吹き抜けのアリーナ、屋内プールなどの施設が充実しています

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