受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

田園調布学園中等部

2022年10月5日(水)

学校ルーブリックを全校で共有
一人ひとりの非認知能力を高める

 1926年創立の調布女学校を前身とする田園調布学園。「自分本位の我を捨て、目標に向かって努力を続けること、他人よかれと行動すること」を意味する「捨我精進」という建学の精神に基づき、6年間のあらゆる教育活動に明確な目標・目的を定めています。同校では生徒に「必要な力」と「土台となる姿勢」を学校ルーブリックに具体的に示し、全校で共有。さらに細分化した教科ルーブリック、学年ルーブリックを設定し、授業・行事・クラブ活動など、学校生活のあらゆる場面でルーブリックに定めたことができるようになるように活動しています。

 この日の説明会であいさつに立った校長の清水豊先生は、「中高6年間の基盤となるのは、『自分と向き合うこと』です。生徒たちに望むのは、『自分は何者か』と問い続けることで、一人の人間としてどのように生きていくのか、どのように社会とかかわっていくのかを生徒たちに考え続けてほしいのです」と話しました。

 また、「性差に対しての思い込みを捨てることも大事です」と指摘したうえで、その最たるものとして「理系科目は男子のほうが得意」という例を挙げました。2022年春の同校の卒業生188名のうち、44%が理系に進学しましたが、学校として理系を選ぶように意識的に指導しているわけではありません。あくまでも6年間の学校生活で自分の興味・関心や将来と向き合った結果として、理系を選択する生徒は例年、学年全体の45%前後を占めているそうです。

カリキュラムを刷新し
問題解決能力・探究力を育成

 ICTの活用によって学習の効率化を図っている同校は、2022年度から新カリキュラムを導入し、「週5日制・50分授業(週32コマ)+土曜プログラム」という授業形態をとっています。なかでも力を入れているのが、中1から高2までの全生徒を対象に行われる「探究」です。平日に週1コマ実施されるこの授業では、「今、解決すべき問題は何か」を念頭に置き、膨大な情報のなかから必要なものを取捨選択しながら分析する力、対話を重ねて解決方法を探究する力を育成します。また、物事を複眼的にとらえる力を伸ばすために、従来の教科横断型授業も積極的に取り入れているそうです。清水先生は「本校では生徒たちの声に耳を傾けるとともに、『失敗してもいいから、挑戦してみましょう』と呼び掛けています」と結びました。

 入試広報部長の細野智之先生からは、同校の教育活動についてさらにくわしく説明がありました。毎年、入学時のアンケートで「理数科目は得意ではない」と答える生徒が60~70%に上るという同校では、日々の授業や土曜プログラムで双方向の授業を展開し、数学・理科に対する知的好奇心を刺激するとともに、生徒の興味・関心を高めています。理科では中高6年間で約150もの実験を行い、考察・研究・体験を通して苦手意識を払拭。数学でも、中1ではカードを使ったゲームで正負の数の加減を学ぶほか、立体パズルを組み立てて観察することで抽象的なイメージを具体的なものへと膨らませていきます。

 説明会の途中では、中2に在籍する2人のサピックス卒業生が登場しました。「クラブ活動や友だちとのおしゃべりが楽しいです」と笑顔で語る姿から、充実した中学生活を送っていることが伝わってきました。

イメージ写真 2018年度よりモデルチェンジした夏服は、有志生徒がデザインを提案しました。冬服のスラックスは、2023年度から導入される予定です

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