受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

金沢学院大学附属中学校

2022年10月13日(木)

「考えることを楽しむ授業」をコンセプトに、10年一貫教育や学校・塾一体型教育を実践

 石川県金沢市にある金沢学院大学附属中学校は、2022年春、北陸最大級の私立総合大学である金沢学院大学の系列校として開校しました。以前からある附属高等学校とは別に独自メソッドによる中高一貫教育を実践し、学校・塾一体型の学習システムを導入するなど、既成概念にとらわれない新進の教育法を積極的に取り入れています。

 この日のオンライン説明会で教頭の西念佑馬先生は、「本校では、日々の学習サイクルと中期的な学習サイクルを連携させた『学院メソッド』を採用しています」と語りました。生徒は日々、「予習→授業→復習→小テスト」というサイクルを繰り返し、自身が立てた計画の進捗状況を教員と確認しながら学習習慣を確立しています。さらに、定期考査の2週間前には「学習カルテ」に基づく個人面談を経て、目標達成をめざします。

 カリキュラムは、「特進コース」「総合コース」とで異なります。特進コースでは最難関国立大学・医学部・難関私立大学への進学を目標に掲げ、これまで週34コマだった授業時間数が2023年度から週37コマとなります。授業時間を週3コマ増やすことによって英語・数学を中心とする先取り授業の進度をより速め、中3の1学期までに中学内容を、高2までに高校内容の学習を終了します。また、放課後と土曜日には希望者を対象とした学習塾の講師による英語・数学の対面講座を開講しています。西念先生は「最難関大学受験に向けた高度な授業を行う『超速習塾』と、授業で学んだ内容を補足しながら希望進路に応じた学習プランを進める個別対応型の『速習塾』とがあり、学校と塾が一体となって大学受験を見据えた学力を養成します」と述べました。

 一方、総合コースでは大学までの10年一貫教育を前提に、バランスの取れたカリキュラムに基づいて学び、次世代リーダーに必要な深い教養を身につけます。原則として全員が部活動に参加する点も特徴で、選手や指導者として実績のあるトップクラスのコーチ陣が質の高い指導を行い、世界で活躍するトップアスリートへの道を開いています。また、競技力だけではなく、主体性・社会性・協調性などの人間力や確かな学力も培い、文武両道をめざします。

 授業については各コースとも「考えることを楽しむ」をコンセプトに、興味や主体性を引き出すことに主眼を置き、生徒が努力の成果を実感できるようなコーチングをしています。その一環として、探究型・対話型の学びに注力していることが伝えられました。大学の研究室と連携した課題研究活動「KGゼミ」では、地元・金沢の歴史や文化・地域的課題をテーマに、調査・研究・表現へとつなげる実践的な学習法を習得します。このように、金沢学院大学とも連携して多彩な授業を行い、論理的思考力・課題発見・解決能力を高めようとしているのです。

 英語ではネイティブ教員が授業を進める「Oral Communication」で真の英語力を養成します。西念先生は「学習塾とも協力して、上質な学びを追求し、生徒に寄り添いながら、将来の夢を一緒にかなえていきたいと考えています」と述べました。

 3階建ての生徒寮「中学清鐘寮」は中学校舎から徒歩約15分の場所にあります。男子寮・女子寮とも冷暖房・Wi-Fi完備の完全個室で、栄養管理から医療対応まで万全なサポート体制を整えています。学習面においても毎日、同校の教員や金沢学院大学の学生がきめ細かく支援します。予習・復習や宿題への質問対応、学力別に選べる特別授業の実施など、その内容は充実しています。寮監の望月尚志先生は「生徒たちは共同生活を送ることによって、自己管理能力や協調性を養っていきます。同時に仲間と友情を育みながら思いやりの心を身につけ、大きく成長します」と語りました。

 2023年度に石川県外で実施する入試は、1月8日の入試Ⅰ(東京・愛知・大阪)と1月22日の入試Ⅱ(東京)の2回です。入試成績の優秀者とスポーツで実績のある受験生には、授業料等が免除される特待生制度があります。募集定員は各コースとも35名で、併願が可能です。

イメージ写真 年内に校舎南側に、人工芝の野球場や全天候型舗装トラックを併設した陸上競技場のあるグリーンフィールドⅢが完成する予定です。また、中高一貫生用の新校舎の建設も計画中で、2023年に着工し、2024年春に完成する予定です

www.kanazawa-gu.ac.jp/jhs/ 別ウィンドウが開きます。

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