受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桐朋女子中学校

2022年10月17日(月)

特徴的な教育システムの下、一人ひとりの個性を伸ばし、創造性豊かな女性を育てる

 1941年創立の山水高等女学校を前身とする桐朋女子中学校・高等学校。「通知表を廃止し、個人面談を通して成績を伝達する」「2学期制で秋休みがある」「中高6年間を2年ずつ区切ったブロック制を導入している」などの特徴的な教育システムの下、創造性豊かな女性の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、校長の今野淳一先生はアメリカの教育学者であり哲学者でもあるジョン・デューイの「Learning by Doing(“成す”ことによって“学ぶ”)」ということばを紹介しました。そのうえで、「2022年度の学校パンフレットを作る際に再発見したこのことばは、本校の教育の根幹でもあります」と語りました。

 同校では、40年以上前からレポート作成や発表学習を多く取り入れるなど、学びのプロセスを重視した授業が行われています。たとえば中学3年間、毎年社会科見学が実施され、生徒はその後、レポートを作成します。高1では、各自が選んだテーマを調査・分析してわかったことについて、それぞれ15分程度の“授業”を行います。さらに高2・3では、一つのテーマについて生徒たちが報告をしたり議論したりするゼミナール形式の特講などもあります。

 また、学習と生活に関する評価に通知表を使わない代わりに、前期と後期の2回面談を行い、各教科の教員のコメントを担任が集約して生徒に伝えます。面談では成績だけではなく学習状況や課題についても話し合い、生徒はそこで伝えられた成績を自分の「面談ノート」に記録して内容を保護者と共有し、今後の成長につなげています。

 高2からは、大学進学を見据えた大幅な科目選択制が取り入れられています。生徒は希望する進路に合わせて時間割を組むことができます。2022年3月には158名が卒業しましたが、今野先生によると、その生徒たちの時間割は実に138通りにも及んだそうです。今野先生は「芸術系大学も含めて、どのような進路にも幅広く対応できるよう、さまざまな科目のなかから自由に選択することが可能です」と話しました。

 卒業生の6割近くが文科系の学部・学科に進学していますが、理工系、医歯薬・看護系、芸術系の学部・学科への進学者も少なくありません。2019年から連携協定を締結した東京女子大学へは最大25名の連携校推薦枠があり、2022年4月にも、その制度を利用して数名が同大学に進学しました。最後に、今野先生は「大学受験は生徒にとって大きな目標の一つであり、わたしたち教職員も全力でサポートしますが、単に結果だけを追い求めるのではなく、本校での6年間を通じて一生の財産になるような『物事に取り組む姿勢』を身につけてほしいと考えています」と語りました。

 続いて、副校長の岩田堅太郎先生が入試について説明しました。それによると、2023年はこれまでと同様、2月1日午前にA入試(国語・算数の筆記試験と口頭試問)、1日午後にCreative English入試(英語1科型)、2日午前に論理的思考力&発想力入試(言語分野と理数分野の記述型試験)、2日午後にB入試(2科4科選択の筆記試験)が実施されます。「本校の入試では『知識を吸収し、整理する力』『想像し、考える力』『表現する力』の三つを大切にしています」と、受験への心構えについてのアドバイスもありました。

 最後に、高3の生徒が登壇し、学校紹介のプレゼンテーションが行われました。合唱部の部長を務め、現在は音楽教員になることをめざして受験勉強に励んでいるというこの生徒は、1年間で最も盛り上がるという体育祭について紹介しました。「休み時間に玉入れの練習をするほど、生徒たちは情熱を注いでいます。勉強にも行事にも部活動にも全力で取り組む学校です」と楽しそうに話しました。

イメージ写真 2022年度から中高生全員がタブレット端末を所持し、ICTを活用した学びが実践されています

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