受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京学芸大学附属竹早中学校

2022年10月18日(火)

自由でリベラルな校風の下、自主性を大切に育む多彩なプログラムを導入

 文京区小石川にある東京学芸大学附属竹早中学校は、1947年開設の東京第一師範学校女子部附属中学校と東京第二師範学校女子部附属中学校を前身としています。東京学芸大学の附属校として中等普通教育が行われる一方、教育学の研究や理論を実証する場として、先進的な学びが実践されています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、副校長の森顕子先生は、「自ら求め、考え、表現し、実践できる生徒を育てる」「他人の立場や意志を尊重できる、視野の広い生徒を育てる」「心身ともに明るくたくましい生徒を育てる」という同校の教育目標を紹介しました。これらを実現するために、同校では生徒の自主性を重視する一方、発展学習を豊富に取り入れているそうです。

 たとえば、探究型の学びを実践する総合学習では、生徒一人ひとりが興味のあるテーマを掘り下げて中1・2で自由研究に、中3で卒業研究に取り組みます。また、生徒たちの自主性を育む場として行事を重視しているのも特徴です。学年縦割りの4クラス対抗の運動会、学年ごとの宿泊学習などは、生徒たちが中心となって企画・運営を行います。なかでも、毎年11月に開催される文化研究発表会は全校を挙げて盛り上がるメインイベントです。森先生は「合唱コンクールや文化部の展示のほか、総合学習での探究の成果を発表する場も設けています。3年がかりで取り組んできただけあって、どのテーマも興味深く、研究と呼べるレベルに達しているものも多くあります」と胸を張ります。

 一方、同校は研究・実習校としての側面も持っています。同じ敷地内にある幼稚園や小学校との連携教育を推進し、30年以上前から、11年間を見通したカリキュラムを編成しています。さらに中学校独自で多様性教育の研究にも注力し、その一環として「Dプロジェクト」を推進しています。これは生徒自身がやってみたいことを発信し、学校や社会と連携して実現させていく活動で、Dとは「Dream」「Decide」「Develop」の頭文字です。森先生はその一例として、生徒が考案したデザインのタオルを製作・販売する「竹早中オリジナルグッズ作成プロジェクト」を紹介しました。生地選びからデザイン、価格設定、業者との交渉、そして販路の開拓まですべて生徒たちが行い、現在は第2弾の話も進んでいるそうです。

 また、これまでの研究を礎として、2020年度には将来の学校モデル開発に取り組む「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」も始動させています。これは、政府が「超スマート社会」として提唱する「Society5.0」に向けた産官学連携の一大事業で、東京学芸大学、竹早地区の幼稚園・小学校・中学校、企業、教育委員会などがワンチームとして機能しているほか、30社ほどの企業、岩手県・岡山県などの市や町の教育委員会も参画しています。森先生は「誰もが『好きに、挑む』ことができる学校モデルをめざし、子どもたちと共に未来をつくっていくわくわく感を味わっています」と語りました。

 続いて、主幹教諭の浦山浩史先生から進路と入試について説明がありました。附属高校への連絡進学は、附属中学3校(竹早中・世田谷中・小金井中)で男女合計約200名の枠があり、竹早中からは例年卒業生の4割強が進学します。合否は中学からの調査書と筆記試験の結果により、高校側が総合的に判断します。

 2023年度の入試については前年度と同じ方式を採用し、面接試験は行いません。その代わりに、筆記試験開始前の15分間で記入する「自己PRカード」の内容が評価されます。

 最後に森先生は、「本校では、『子どもの笑顔を守る』ことを常に念頭に置いています。リベラルな校風の下、伸び伸びと生活できる学校だと自負しています」と、締めくくりました。

イメージ写真 東京メトロ「茗荷谷」駅からは徒歩12分、東京メトロ「後楽園」駅と都営地下鉄「春日」駅からはそれぞれ徒歩15分、都営バス停「春日二丁目」の目の前にキャンパスはあります。伝統を継承しつつ、教育実践校として先進的な取り組みにも力を注いでいます

www2.u-gakugei.ac.jp/~takechu/ 別ウィンドウが開きます。

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