受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京学芸大学附属小金井中学校

2022年10月25日(火)

観察や研究の機会を数多く設け、みずからの未来を切り拓いていく生徒に育てる

 東京学芸大学の教育研究機関である東京学芸大学附属小金井中学校の前身となる学校が創設されたのは、1947年のことです。それ以来、体験・活動を中心とした学びで生徒の興味・関心を刺激するとともに、実験・実習・観察・作文・討論などを通して主体的に学習に取り組む姿勢を育んでいます。

 この日のオンライン説明会の冒頭、あいさつに立った広報係の柴田翔先生は「本校では、生徒たちがみずからを変革し、未来を切り拓いていくことを目標としています。そのために、わたしたちも変革し、人間性が豊かで魅力ある若者の育成に力を注いでいます」と語りました。

 続いて、教育内容や学校生活についての説明がありました。新型コロナウイルス感染症が流行している間は、生徒の持つ端末を利用してグループで一つの資料を作り上げたり、付箋に自分のコメントを書いて考えを共有したりと、必ずしもICT機器にとらわれず、生徒の学びにとって最も良いと思われる方法を用いて学習を進めてきました。現在も、欠席した場合でも参加できるよう、オンラインで授業を配信するなどの配慮を続けているそうです。

 同校では、修学旅行・スポーツフェスティバル・学芸発表会・合唱祭などを教育の柱に据え、こうした行事を通じてさまざまな学びを実践しています。このうち学年ごとに毎年行われる修学旅行は、同校の探究学習の核となる活動です。中1での北総・常南(千葉県北部と茨城県南部)への修学旅行では、伊能忠敬記念館、成田山新勝寺とその門前町、漁港や農家の方々を訪問し、自然・産業・文化の観察調査の方法を学習します。中2では秩父・長瀞方面を訪れて地層や化石の観察を行い、科学的な推測を立てる力を養います。また中3では、奈良・京都で古都の風物に触れ、美術・社会・国語の総合的な視点から「人と文化」について考察を深めます。柴田先生によると、このような体験からは、知識が得られるだけにとどまりません。生涯にわたって学び、みずからをより良く変革していける人に成長するための礎ともなるそうです。

 とりわけ特徴的な行事はスポーツフェスティバルです。これは学年を縦割りにした男女混合のチームで行う競技大会で、生徒はそれぞれ、アルティメットとソフトバレーボールのいずれかを選択して出場します。こうした競技で良い結果を出すには、みんなで協力して「チーム」を作り、技能を向上させることが不可欠です。また、ルールなども生徒たちが取り決めるため、自発的に運営する力、自分が能力を発揮できる場を創造する力、フェアプレーの精神などが養われます。

 一方、日ごろの研究や部活動の成果を披露する学芸発表会では、文化系クラブの発表、クラスごとのレポート展示や舞台発表などとともに、課題研究の発表が行われます。中2の「総合的な学習」の時間には、さまざまな分野の講座が開講されますが、生徒たちはそのなかから自身の興味・関心に合うものを選択し、1年がかりで研究に取り組みます。これが課題研究です。なかには「英語狂言」といった教科横断型の講座もあり、多面的・多角的なものの見方や考え方、探究力・解決力などが養われる場となっています。このほかにも、1年間を通して培ってきたクラスの団結力が試される合唱祭など多彩な行事があります。

 2023年度の一般入学者選抜は例年どおり2月3日に行われる予定です。検査は2022年と同様、検査Ⅰ(国語)・検査Ⅱ(算数)・検査Ⅲ(社会)・検査Ⅳ(理科)の成績と報告書の内容とによる総合評価となり、面接は新型コロナウイルス感染症予防の観点から実施されません。募集要項など出願書類一式は学校ホームページよりダウンロードして利用できます。

イメージ写真 JR中央線「武蔵小金井」駅、「国分寺」駅からそれぞれ徒歩20分程度。東京学芸大学と同じ敷地内にある広大なキャンパスで生徒たちは伸び伸びとした学校生活を送っています

www2.u-gakugei.ac.jp/~gkoganei/ 別ウィンドウが開きます。

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