受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

西武台千葉中学校

2022年10月25日(火)

「武の精神性」を尊重した教育でバランスの取れた人材育成をめざす

 千葉県野田市に広々としたキャンパスを構える西武台千葉中学校・高等学校は、1986年に武陽学園高等学校として開校しました。当時は男子校でしたが、1989年に現校名に改称して共学化されています。1992年には中学を開設し、中高一貫校となりました。「若き日に 豊かに知性を磨き 美しく心情を養い 逞しく身体を鍛えよ」という校訓の下、「知・心・体」のバランスの取れた人材育成をめざしています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、入試広報部の堀江誠先生は教育の3本柱として「学習活動」「部活動」「体験活動」を挙げ、「それぞれの活動で大切にしているのは、一段高い意識、すなわち『武の精神性』を持って取り組むことです」と語りました。この「武」という文字は学校法人の名称の一部であるとともに、校章のモチーフにもなっており、礼儀正しさ、相手をおもんぱかる気持ち、みずからを律し高めようとする強い精神力を表しています。その効果として、「学習活動では点数を取ることよりも学びの意義を、部活動では勝敗よりも相手を尊重する気持ちを、体験活動では独善的な行いよりも他人との協調を、それぞれ大切にするようになります」と説明しました。

 続いて、中3学年主任の峰岸義和先生から、「学習活動」の具体的な内容について紹介がありました。同校では中高6年間を2年ごとに「基礎期」「発展期」「進路実現期」の三つのステージに分け、成長段階に応じた目標を設定しています。「基礎期」に当たる中1・2では全員が「総合コース」で学び、日々の学習習慣の確立をめざします。中3になると、文系・理系選択を見据えて「特別選抜コース」「進学コース」の二つのコースに分かれます。いずれのコースも授業のコマ数は同じですが、学習する内容の「深度」が異なり、生徒一人ひとりの学力や希望する進路に合わせた指導が行われているそうです。「進路実現期」に当たる高2・3では「文系特選コース」「理系特選コース」「文系進学コース」「理系進学コース」に分かれ、希望進路に応じた選択科目で実戦力を養います。

 教科学習のなかでも特に力を入れているのが英語です。同校では、高い英語力を身につけるためのさまざまな体験プログラムを「実用英語プラットフォーム戦略」として体系化しています。たとえば、ネイティブ教員と英語漬けの時間を過ごす「English Boot Camp」は、中1は日帰りですが、中2は1泊2日の宿泊研修で、学年とともに難度が上がります。中3の海外語学研修は全員でカナダを訪れ、培った英語力を発揮する場となります。また、通常の授業では、1冊の教科書を年間で5回繰り返して学ぶ「5ラウンドシステム」を採用し、①リスニング、②文字認識(音と文字を結び付ける)、③音読、④文の構造(穴埋め・ライティング)、⑤リテリング(教科書の内容を自分のことばで説明する)の五つのアプローチによって多角的な理解を促します。さらに、習熟度別授業、オンライン英会話なども行い、将来の「武器」として使える英語コミュニケーション力の強化を図っています。

 「部活動」については、中学では85%の生徒が何らかの部に所属しています。なかでもバドミントン部は男女ともに全国大会出場の経験を持つ強豪であることが伝えられました。仲間と同じ目標を持って努力することは、「武の精神性」を養うためにも重要であることから、部活動への参加は強く推奨されているそうです。

 「体験活動」では、輝陽祭(文化祭)、体育祭といった学校行事が学年を超えた交流の場となっているほか、小学校支援ボランティアや地域病院でのインターンシップに参加できる「キャリア教育プロジェクト」や、中国語、手話、気象予報士養成など多種多様な内容のものが開講される「教養講座」もあります。峰岸先生は「本校は、さまざまな体験を通して生徒一人ひとりの適性を発見し、“知の器”を大きく育てる学校です。生徒たちには国際社会で必要とされる教養を身につけて巣立っていってほしいと考えています」と結びました。

イメージ写真 東武アーバンパークライン「川間」駅からスクールバスで約5分。SSK(西武台千葉進学研究会)・メディカルプロジェクト・教員養成プロジェクトなどがあり、希望する進路の実現をしっかりサポートする学校です

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