受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

玉川学園中学部

2022年10月28日(金)

一人ひとりの夢や希望をかなえる、最先端の学習環境と体験重視のプログラム

 玉川学園は教育者・小原國芳によって1929年に設立されました。緑豊かなキャンパスには幼稚園児から高校生までが学ぶ各校舎、大学教育棟、大学院の研究施設などが点在しています。

 この日の説明会の会場となったのは、理科教育専門施設「サイテックセンター」内にある最新鋭のデジタルプラネタリウム「スターレックドーム」です。中学部長の中西郭弘先生は、創立者の小原國芳が「本物に触れる教育」を重視したことを紹介し、「このプラネタリウムのほかにも一流の教育施設を備え、子どもたちのチャレンジを後押ししています」と語りました。61万㎡の広大な敷地には、マルチメディアシアターやワークショップスペースを備えた「マルチメディアリソースセンター」、木工・染織・陶芸などの高度な専門設備を有する芸術校舎「アートセンター」、幼稚園児から大学生までが一堂に会して体育祭を行う、ナイター照明完備の全面人工芝グラウンドなど、最先端の施設・設備がそろっています。

 そんな同校の教育の根幹は、創立者が唱えた「全人教育」です。その理想を実現するために「個性尊重」「自学自律」をはじめとする12の教育信条を掲げていますが、中西先生は「生徒たちにわかりやすいよう、ひと言で『深みと丸みのある大人になりなさい』と伝えています。そのためには『触れて・感じて・表現する』ことが重要です。また、常に他者を尊重し、社会の一員としての自覚を持った立ち居振る舞いを意味する“玉川しぐさ”を心がけるよう指導しています」と話しました。

 「触れて・感じて・表現する」教育の代表例が、創立当初から行っている「探究型学習」です。そのなかでも、毎週2時間行われる「自由研究」「学びの技」は「探究型学習」に特化した授業です。中1・2では、自分の興味・関心に沿って調べたことをまとめる「自由研究」に取り組みます。中3では、課題設定・情報収集・論文作成・プレゼンテーションのスキルなどを学ぶ「学びの技」を1年間受講し、高校での「自由研究」につなげます。これは「人文科学」「社会科学」など教科横断的な五つのカテゴリーに分かれており、より本格的な課題研究に取り組むとともに、玉川学園展(文化祭)や外部のコンテストなどで発表します。

 文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定も受けている同校では、科学・技術・工学・芸術・数学の五つの領域を横断的に学び、課題解決力を養うSTEAM教育にも力を注いでいます。玉川大学工学部との連携による「玉川ロボットプロジェクト」、脳科学研究所との連携による「SSHリサーチ脳科学」などもあり、課題研究に取り組む機会は豊富です。レーザー加工機や3Dプリンターなどの最先端機器を駆使して、ものづくりの楽しさを体感できる「Art Lab(アートラボ)」、学園内の水槽・循環システムを使って取り組む「サンゴ研究」などは、科学技術の未来を担う人材育成にもつながるものです。

 歴史と伝統がある「国際教育」については、世界規模の私立学校連盟「ラウンドスクエア」のメンバー校(49か国230校以上)や海外提携校(8か国17校)との間で、留学生の派遣や受け入れを積極的に行っており、海外渡航が困難だった時期もオンラインで交流を続けてきました。学内でも模擬国連や、海外で活躍する日本人を招いてのグローバルキャリア講座など、数多くの国際プログラムが開催されています。

 最後に、進路に関する説明がありました。現役での四年制大学進学者の約3割が玉川大学への内部進学です。残りの約7割は他大学に進学しますが、そのほとんどは学校推薦型選抜や総合型選抜を利用して合格しています。中西先生は「高3生の8割程度が年内に進学先を決めています。いろいろな経験やチャレンジの機会を多く提供して、生徒一人ひとりの大きな夢の実現を精いっぱい手助けしています」と語りました。

イメージ写真 夜間も利用可能な人工芝のグラウンドがあるなど、運動施設も充実。生徒たちは四季の移ろいを感じながら、充実した毎日を過ごしています

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