受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鎌倉学園中学校

2022年10月25日(火)

蘭渓道隆が重んじた「自主自律」の精神を
教育の柱として受け継ぐ伝統校

 生徒の自主性を尊重する自由な校風で知られる鎌倉学園中学校・高等学校の前身は、鎌倉五山筆頭の建長寺が1885年に設立した子弟のための教育施設「宗学林」です。「校訓は『礼義廉恥』で、『礼』とは、節度を守ること。『義』とは、自分を実際以上に見せびらかさないこと。『廉』とは、自分の過ちを隠さないこと。『恥』とは、他人の悪事に引きずられないことを意味しています」と説明するのは、2022年4月に校長に就任した松下伸広先生です。続いて、「質実剛健」「自主自律」「文武両道」という三つの教育の柱を紹介しました。特に重視しているのが、建長寺を開山した中国の禅僧・蘭渓道隆が子弟を教育する際に最も重んじた「自主自律」です。松下先生は「中学生になったら保護者は手をかけ過ぎてはなりません。お子さんは自分で考え、自分で選んでいかなくてはならないからです。みずからの内発的動機づけによって大学進学のその先で何を学び、どんな切り札を持って社会に貢献していくのかを考え、行動できる人を育てるのが本校の方針です」と語りました。

 次に、中2生を例に挙げながら、学校生活について紹介しました。多くの生徒は毎朝8時25分までに登校し、自習などの課題に取り組んでから授業に臨んでいるそうです。「総合学習」では1人1台のノートパソコンを使って動画を制作し、自身の考えを自由な形式でまとめます。放課後はクラブ活動や習い事に励む生徒が多く、さまざまなことに挑戦して充実した毎日を過ごしています。

実体験を通した多彩な探究活動で
“学ぶ楽しさ”を味わう

 「文武両道」を掲げる同校は課外活動も盛んです。多くの生徒が学習と両立させながらクラブ活動に取り組んでおり、国公立大学や早慶上理・GMARCHなどの私立大学への高い大学合格実績を挙げています。体育系ではさまざまな大会で優秀な成績を収めている硬式野球部(高校)・アメリカンフットボール部(高校)・山岳部(高校)・バレーボール部、文化系では軽音楽部・吹奏楽部・インターアクト部の実績が紹介され、「文武両道」を実践していることが伝えられました。

 探究的な学びにも力を入れ、理科では生徒が「探究することの楽しさ」を感じられる授業を心がけています。実験と問題演習に繰り返し取り組む「K-Labo」では、物理・化学・生物の実験のほか、東京大学や信州大学の研究施設を利用した実習なども行います。机上の理論では終わらせず、実験・観察を通して実際に体験し、理解を深めていくためです。このほかにも、体験を通したさまざまな探究学習を実施しており、今後もさらに充実させていくとのことです。

 2023年度入試については、募集人員に変更があります。2月1日午前の1次入試は従来の60名から100名に増員され、そのほかの日程はそれぞれ減員される予定です。これは、同校を第一志望とする受験生からより多くの合格者を出すための変更だそうです。

イメージ写真 JR横須賀線「北鎌倉」駅から徒歩約13分。建長寺に隣接したキャンパスは緑豊かな環境です。カフェテリアは昼休みと放課後に利用でき、温かい料理が食べられると生徒に人気です

www.kamagaku.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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