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学校説明会レポート
湘南学園中学校
2022年10月26日(水)
「湘南学園ESD」を推進し
「持続可能な社会の創り手」を育てる
湘南学園は神奈川県藤沢市・鵠沼の有志によって創設された学校です。まず1933年に幼稚園と小学校がつくられ、1947年に中学校が、1950年に高等学校が開校しました。「個性豊かにして身体健全 気品高く社会の進歩に貢献できる 明朗有為な実力のある人間の育成」という建学の精神の下、生徒の個性や創造性を伸ばすとともに、広い視野と高い見識を備えた人格形成に力を注いでいます。
説明会の冒頭、校長の伊藤眞哉先生は「湘南学園ESD」について話しました。ESD(Education for Sustainable Development)とは「持続可能な開発のための教育」のことで、SDGs(持続可能な開発目標)を教育現場で実践するための教科横断型プログラムです。2013年にESDを推進する学校の一つとしてユネスコスクールに加盟した同校では、気候変動や紛争など地球上の諸問題を解決するための17の目標であるSDGsの考え方を教育に取り入れています。
この「湘南学園ESD」の取り組みは、「教科教育」「グローバルな学び」「食育」「協働を学ぶ自治活動」「総合学習」「キャリアデザイン」の六つで構成され、その軸となるのが1990年度に特別教育活動としてスタートした総合学習です。課題を“自分事”としてとらえる力や、さまざまな事柄との関連性を推察し、本質を見極める洞察力を養うため、生徒の発達段階に応じた多彩なプログラムを実施しています。たとえば、中2では「身近な地域を知る」というテーマで湘南地域について調べ学習を行い、サーフィン体験や鎌倉野菜の収穫体験などを通して学びを深めます。伊藤先生は「生徒一人ひとりが『湘南学園ESD』という1本の木にエネルギーをたくわえて枝葉を伸ばし、今後の人生を自分らしく生きていけるよう、根っこの部分を育てていきます」と話しました。
変化する大学入試にも柔軟に対応
選択授業や探究型授業の拡充を図る
一方、「教科教育」では今後、選択授業を充実させていく方針です。近年の大学入試のスタイルの変化に伴い、同校でも総合型選抜の利用者が増加し、2022年度は高3生の3割以上がチャレンジするとのことです。こうした状況に対応するため、中高6年間で学んだことを自分のことばで表現できるよう、英語力の強化や小論文指導に力を入れるほか、グローバル地域研究やデータサイエンスなど、大学進学後につながるような探究型授業を積極的に取り入れていく予定だそうです。伊藤先生は、「本校でも2年前に選抜クラスを廃止しました。これからの大学入試に対応するために、点数主義からの脱却をめざしています」と強調しました。
このほか、食育の拠点となっているカフェテリアについても紹介がありました。カフェテリアでは、子どもたちに温かくて安全な食事を食べさせたいという保護者の願いから、2013年に始動したNPO法人湘南食育ラボがランチの提供を行っています。保護者が手作りする地産地消を意識したおいしい昼食は、生徒たちに大人気だそうです。
なお、2023年度入試では、問題の難度が変わります。2021年度と2022年度は新型コロナ対応として基本問題が中心でしたが、2023年度は従来の難度に戻るため、「2020年度以前の過去問で7割程度の得点をめざしてください」とのアドバイスがありました。
NPO法人湘南食育ラボによって運営されているカフェテリア。ランチは1日約200食を提供しています。地元の食材を取り入れた手作りのものです
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