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- 2011年度中学入試 親子で歩んだ 受験の軌跡
- 駒場東邦中学校 進学:男子校
主人の父が他界したのは、試験本番の2週間前。ここからは息子自身で、ペースを崩さずやってもらうしかないと覚悟せざるを得ませんでした。精神的なショックもあったはずですが、本当によく乗り切ってくれました。
息子は皆さんにアドバイスできるようなお手本の受験生ではなかったかもしれません。「絶対にこの問題を解いてみせる、という粘りが足りない」と、先生からご指摘を受けたこともありました。しかし、息子はサピックスに通うのが大好きでした。よい仲間に出会い、互いに切磋琢磨して、楽しい時間を過ごしていることは手に取るようにわかりました。1月最後の授業を体調不良で休ませたときは、3年間通ったサピックスへの思いや、本番直前に先生方や仲間に会えないことの無念さから、布団をかぶって泣いていたほどです。
私は「6年生になれば、いつかパチンとスイッチが入り、自分の学習スタイルを築いてくれるはず。親はサポート役に徹すればいい」と期待していました。しかし、なかなか息子のやる気スイッチは見つからず、成績も大きく上下を繰り返し、一向に安定しません。男の子は秋に化けるに違いないと思っていたら、「彼は最後までこんな感じのタイプかもしれませんね。稀にいます」と先生に言われ、愕然としたこともありました。
初めはわからないときにだけ、協力するようにしていた主人は、苦手な分野の選別から志望校の出題傾向まで、夏休み前に研究して、息子と向き合いはじめました。お盆には、夏期講習前半のテキストを使い、得点力が安定しない算数をすべて復習させていました。そのころから、サピックスの教材を信じ、基礎固めと復習を繰り返す勉強方法を徹底させて、学習内容を取捨選択していったことが、勝因の一つだと言えるでしょう。
親として不出来だった点も数多くありました。感情的に叱り、成績で一喜一憂し、併願校も直前まで決断できませんでした。振り返ってみると、先生方にやる気スイッチを押していただいたのは、私のほうでした。ご相談のたびに、いまの息子に何が必要なのかを詳細に教えていただき、「親子喧嘩する時間があったら勉強しましょう。勉強はもっと楽しくやるものですよ」と諭していただいたりしました。最も強力なスイッチは、11月の個別面談で「志望校の合格ラインまでは確実に来ています。合格最低点を数点上回るか下回ってしまうのか、これから次第です」と言われたときでした。すぐに息子にも伝えましたが、よくも悪くもいつも前向きな彼には、「合格ラインまでは確実に来ている」という部分しか記憶に残らず、これが自信につながったようでした。
本来ならば自信を持てるように過ごす1月も、我が家では直前まで1点の怖さ、大切さを伝え続けました。祖父の葬儀もあり、生活も勉強も普段通りというわけにいきませんでした。ただ一つ、親バカですが、息子の「ここぞというときの集中力」を信頼していました。「2月にピークを持っていけば大丈夫。息子の『ここぞ』が受験本番に来る!」と信じ、当日を迎えました。「常に前向き」で先生の予想通り、「最後までこんな感じ」が功を奏して、入試当日まで平常心で過ごし、苦手なものを克服するために繰り返し解いた理科の「コアプラス」と、愛読書の歴史資料集をお守りにして、ほどよい緊張感で本番に臨み、実力を存分に発揮できたことが、息子には大きな武器となったのかもしれません。
志望校別に特化した素晴らしい教材と授業、そして併願校から些細な悩みまで幅広く相談に乗ってくださいました先生方に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
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