受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2015年度中学受験  サピックス小学部第25期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

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進学校:聖光学院中学校

帰国子女の一般枠入試 M.Sさん ●お子さんの名前 Rくん

 合格発表の掲示板を前に、息子よりも先に声を上げていました。
 「あったよ! すごい、すごい! がんばったね!」
 受験本番まではとても長く思えた、6年生の1年間。終わってしまうと、あっという間だったと感じるものです。
 息子は小学校の4年間を海外で過ごし、現地のインターナショナル・スクールに通っていました。帰国後を見据えて、日本語の補習にもなるだろうと考え、4年生から放課後、現地にある日系の進学塾に通うようになりました。そのころから、親子で真剣に中学受験について考えるようになりました。
 帰国後の塾選びについても、さまざまな選択肢があります。帰国子女という立場では、英語で受験できる帰国生入試をめざすのが一般的ですが、わが家は併願校を受験することも考え、4科目の受験勉強に取り組むことを決意しました。また、日本の小学校で教わる内容をいま一度身につけるチャンスだとも考え、帰国子女専門の塾に通わせるのではなく、サピックスを選びました。
 入室当初は、それまで欧米流の教育を受けてきた息子にとっては、戸惑いの連続だったようです。算数は解法のアプローチが違ったり、理科は実験器具の名称や薬品名、さらには習う順番が違ったり…。社会では、日本の歴史や政治について初めてふれたという始末でした。
 しかし、入室して2か月ほどたつと、「サピックスの先生方の教え方がとにかくおもしろい!」と言い、楽しそうに通うようになりました。授業の内容は難しいけれど、それまで自己流で覚えていた各科目の知識を、「先生は、自分に足りないところに、パズルを当てはめていくように補ってくれる」ので、さらに深い知識が学べるのだと、充実感いっぱいの顔で報告してくれました。
 国語だけに限らず、理科や社会でも、記述問題をたくさん解かせるサピックスの授業のおかげで、英語の直訳文のような文章ばかり書いていた息子は、きちんとした日本語の文章が書けるよう、鍛えられました。
 基本的には、勉強面ではサピックスの先生方の指示どおりにさせており、家では時折、進み具合を一緒に確認するようにしていました。ただ、息子には、4年生のころから自分で自分の勉強をスケジューリングする練習をさせていたので、あまり親が細かく指導する必要はなかったように思います。
 親としては、精神面のケアを心がけました。ネガティブ思考の強い子でしたので、ちょっとしたことで自信をなくしやすいのが心配でした。塾からの帰り道、最寄りのバス停から家まで歩く5分間が、息子のそのときの精神状態を知る良い機会でした。
 また、テキストやプリントを綴じる作業をしながら、国語の問題文を読んでは、息子とよく感想を述べ合いました。息子は読書が好きなので盛り上がりましたし、親としては、いまどんなことを勉強しているのかがわかり、話して良かったと思います。時には、社会のテキストから政治の話で盛り上がりました。また、植物や滑車といった理科の項目では、自分たちの生活にそれらがいかに入り込んでいるかで盛り上げ、いろいろな角度から問題を見ていってほしいことを伝えました。
 夏が過ぎ、いよいよSS特訓も始まったころから、息子の成績が伸び悩み始めました。春の保護者個別面談の際には、学校によって、英語と国語のどちらを受験科目に選ぶべきか、悩んでいる旨を室長先生にご相談していました。ところが、順調に国語が伸びてきていたので、このまま4科目で…と思っていた矢先の、算数の不調でした。
 第一志望校の帰国枠は、算数・国語か算数・英語かの選択です。「算数がこのまま不調だったときに、カバーできるのはどちらだろうか」と再び悩みましたが、息子が「国語でいきたい」とひと言。このことばで、親も吹っ切れました。
 そこからは、ひたすら塾の授業についていく日々。模試の結果に一喜一憂しそうになる息子を叱咤激励しつつ、落ち込んだときには、塾の先生や学校の先生に激励していただき、息子が常に安定した精神状態でいられるよう心がけました。塾の先生方の声かけは、いつも絶妙のタイミングで行われるので、感心しきりでした。
 過去問の進め方も、一般枠だけでなく帰国枠の問題も解くため、どの学校から解いていくべきか悩みましたが、そのたびに先生にご相談しました。
 年が明け、一般受験の生徒たちよりも一足早く本番を迎えました。しかも、最初の受験校が大本命の帰国枠。算数・国語で臨みましたが、結果は不合格。その知らせを、併願校の入試終了直後に知るという苦しさ、つらさは、親子ともに、忘れることのできない経験となりました。
 その日の夕方に、併願校の合否を「自分の目で確かめて、厄落とししてくる」と言った息子を送り出したときは、親の私のほうが、精神的に参りそうでした。
 その併願校の特待生合格を手にしたこと、そしてその日のうちに、息子からサピックスの先生に電話を入れ、今後の対策を練っていただけたことが、この後の息子の2週間を中身の濃いものにしてくれました。
 迎えた第二志望校の入試日。息子は「難しかった!」と悶々としており、翌日の大本命の「リベンジ」に向けて、気持ちを切り換えさせるのに、親としては必死になりました。
 そして第一志望校の一般枠入試。帰国枠入試のときとは、比べものにならない緊張感と受験者数。それでも、試験を終えて出てきた息子の顔は、晴れ晴れとしていました。「やれるだけやれた。難しかったけど、おもしろかったよ」。結果はどうあれ、息子からこのことばが聞けたことで、息子にとっては、受験勉強をして良かったのだなと思いました。
 結果としては、受験したすべての学校から合格を頂きました。息子の精神力の強さと根性を引き出し、知的好奇心を満たしてくださり、さらには知識を増やすだけでなく、それを自分のものにして活用する術までも身につけさせるサピックスの先生方のご指導に、ただただ感心・感謝するばかりです。
 入試合格がゴールではありません。これからの6年間のスタートです。サピックスで学んだ知識を土台にして、新たな学校生活を送っていってほしいと思います。
 大変でしたが、非常に充実した1年でした。親子関係を見つめ直す良い機会にもなりましたし、息子も精神的にたくましく成長する機会になりました。
 細やかな気遣いで支えてくださった先生方に、心より感謝申し上げます。

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