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そこが知りたい!

10.7月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.4:
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中学受験の新たな選択肢/「公立中高一貫校」の魅力とは

経済的な面で私立より負担が軽いのも事実

 こうした理由のうえに、経済的な面で私立よりも負担が軽いことが決定打となるケースが多いのもまた事実です。公立中高一貫校の場合、中学校に当たる最初の3年間の授業料は義務教育なので無料です。また、2010年度から公立高校の授業料が無償化されたため、公立中高一貫校の高校段階の授業料も無料になりました。良質な中高一貫教育を受けることができ、私立と同様に難関大学への道が開かれているなら、経済的負担の少ない公立校に魅力を感じるのも当然のことです。開設されて間もない学校も多く、学習指導態勢や大学進学実績が未知数であることを心配する方もいらっしゃいますが、「私立とは学費が格段に違う。進学指導に満足できないようなら、塾に通わせればよい」という意見には説得力があります。
 都立桜修館中等教育学校に通うH.Kさんのお母さんも、「中学での先取り学習がない学校なので、高校に入ってから苦しくならないよう、学校の補習に加え、通信教育を利用しています。小学校時代からの習い事も続けています。もし私立で同じ状況だったら、費用の面でちゅうちょすると思います」と話してくれました。
 現在では、中学受験の選択肢の一つとして定着した公立中高一貫校。開設されはじめたころと違い、いまでは多くの学校がカリキュラムの詳細から学校行事、部活動の紹介まで、ホームページでの情報公開に力を入れています。「学校見学にはあまり行けなかったのですが、その分、学校のホームページはずいぶん参考になりました。公立中高一貫校一覧のサイトなど、客観的な視点からの情報も大いに役立ちました」と話すのは、さいたま市立浦和中に進学したH.Tくんのお母さん。もちろん、サピックスの先生に聞いた、各校の特徴や最新の生きた情報、親身なアドバイスも「助かった」そうです。このほか、「給食があるということだけで、どれだけ助かるか」というお母さんの声には、共感できる方も多いのではないでしょうか。

■合格へのスケジュール

私立・国立との決定的な違いは学力ではなく適性で選抜すること

 一方、公立中高一貫校と私立や国立の中学との大きな相違点は、入学者の選抜方法です。公立の場合、私立や国立で課される「学力試験」ではなく、「適性検査」「作文」「面接」、さらには入学願書とともに提出する「報告書(調査書)」「志望理由書」などによって入学者を選抜します。なかでも中心となるのは適性検査です。これは単純に知識を問う問題ではなく、小学校の授業で学んだことをベースにしつつも、身の回りのことや日常生活に関する事柄を、みずから考えて記述し、問題を解決する力を問うものです。変化する社会の中で臨機応変に対応する力を持った人材の育成をめざしている公立中高一貫校ならではの特徴といえます。
 学力検査ではなく、適性検査で入学者を選抜する方法も、当初こそ「私立や国立の入試と傾向が異なるので、学習の対策が立てにくい」と思われがちでしたが、回を重ねるなかで解消されてきました。
 「過去問は3年分を3回やりました。最初のころは長い記述問題に戸惑いましたが、回数を重ねるうちに慣れていきましたね。社会が苦手だったので、SS特訓の単科講座では社会を受講。さいたま市に関する問題もよく出るので、市長の名前や区の名前などを自分で調べました。いまでは社会が得意科目です」と、さいたま市立浦和中に進学したH.Tくんも話します。
 一方、「SS特訓の記述プリントや模試の解答用紙を先生に添削してもらい、書き直してはまた添削してもらうということを、受検直前まで繰り返しやりました。おかげでかなり自信が付きました」と言うのは、都立武蔵高等学校附属中3年のT.Nさんです。お母さんは「初めて読む人に説明するように書きなさいと注意する一方、子ども向けのニュース番組を見ながら家族で話をするように心掛け、それ以外はサピックスに一任した」そうです。
 それぞれのお子さんのタイプや得意・不得意科目にもよりますが、公立中高一貫校受検に共通しているのは、社会や理科などの科目でも、知識の深さや広さに加え、日常生活のシーンでの応用力が問われるという点です。「サピックスの復習と過去問以外は何も特別なことはしませんでした。ただ、国語だけでなく、算数でも理科でも、何を問われているのか、問題文を最後までていねいに読むようにしました。ケアレスミスも減り、深いところで理解して文章を書く習慣や思考力が付いたと思います」という県立千葉中に進学したY.Fくんのやり方も参考になりそうです。

神奈川県では今後も新たな公立中高一貫校が誕生予定

 適性検査とともに公立中高一貫校で実施されることの多い「作文」や「面接」についても、知識の量ではなく、経験などに基づいた自分なりの考えをわかりやすく簡潔に表現する力が求められています。その意味では、準備もふだんの生活のなかでできます。過去問の傾向をにらみながら、さまざまな文章を要約してみる、日記を書く習慣を付ける、家族との会話のなかで、自分の意見や感想を述べさせる機会を多くするなど、すぐにでも実践できることはたくさんありそうです。
 今後も、神奈川県では横浜市立、川崎市立の併設型中高一貫校も設置される見込みで、首都圏の公立中高一貫校はまだ増えていきます。公立中高一貫校と私立や国立校とは競合する面もありますが、公立中高一貫校の設置により、私立校も含めた中高一貫教育への関心が高まり、その地域の受験がさらに活発になっていくことも考えられます。お子さんの進路選択を考える際には、私立・国立・公立校の情報を一通り集め、ご家族でじっくり検討してみてはいかがでしょうか。

■入学者の選抜方法

出願

・入学願書

・報告書(調査書と呼ぶ場合も)
小学校の成績、行事・学習に取り組む姿勢や態度を小学校の先生が評価し、記入するものです。

・志願理由書
子ども本人が書きます。志望理由のほか、「小学校のときに力を入れて取り組んだこと」「これからの6年間で取り組みたいこと」「将来の夢」などを書かせる場合が多くなっています。

※書類の種類や提出の時期、方法は学校によって異なりますので、各学校の募集要項を必ず確認しましょう。

検査当日

・適性検査 ・作文 ・面接

※自治体や学校によって実施状況が異なります。

入学予定者の選考

報告書と適性検査・作文・面接などの結果を総合して、入学予定者(合格者)を選考します。

入学予定者(合格者)の決定

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