受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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そこが知りたい!

17年8月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.4:
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中高一貫校はどうして強いのか

親子で一緒に現状を把握し、効率の良い学習プランを

 長くて暑い夏休みには、「夏ばて」と「中だるみ」に陥りやすいものです。学校に行く必要がないからといって、夜遅くまで机に向かい、翌朝遅くまで寝てしまっては、生活のリズムを崩すだけでなく、体調不良にもなりかねません。夏休み中もふだんどおりの規則正しい生活を送るよう心がけてください。

 また、夏休みといっても、無限に時間があるわけではありません。貴重な時間を有効に使うためには、夏休みに入る前に親子で一緒に状況を把握し、長期・短期両方のスケジュールを作るとよいでしょう。まずは、「やるべきこと」の優先順位を決めて、夏休み全体の学習プランを考えます。そして、「サピックスがある日」と「サピックスがない日」のそれぞれについて、一日のタイムスケジュールを決めます。その際は、サピックスのホームページにある「マイページ」から、『夏休み学習スケジュール表』をダウンロードしてご活用ください。

 「夏期講習を受講して、効率良く時間を使えるようになった」と話すのは、桜蔭中に進学したT・Kさん。「次の日の授業までに復習などを終わらせなければならなかったので、タイムスケジュールに沿って学習するように心がけました。その日にできなかったもののうち、後で見返したほうがよいものはファイルにまとめておきました。そのファイルは入試直前期まで役立ちました」

 夏休みのうちに自分に合った学習習慣を身につけておくと、秋から本格化する受験対策にも継続して生かすことができます。

 一方、駒場東邦中に進学したY・Tくんは、「夏休み中に朝型の生活を習慣にしておけばよかった」と振り返ります。「やるべきことがたくさんあったので、寝る時間が遅くなってしまい、結局朝も起きられないということが続きました。体調が少し悪くなり、授業中に頭がはたらかなくなることもありました」とのこと。授業に集中するためにも、朝決まった時間に起きて、午前中に家庭学習をするという生活のリズムが効率的です。受験本番を想定して、この機会にご家庭で生活スタイルを見直してみてください。

サピックス生が夏期講習で心がけたこと

 今春のサピックス卒業生が6年生の夏期講習を受講するに当たって心がけたこととして、最も多かったのは「苦手科目・分野を克服する」です。時間がとれる夏休みのうちに苦手を克服して、秋からの実戦的な受験勉強に備えようという姿勢が伝わってきます。次に多かったのが「復習を徹底する」こと。夏期講習を活用して、これまで十分に理解できていなかった部分をしっかり復習したいところ。「基礎力をつける」「全体的なレベルアップを図る」「先生に指示された問題は必ず解く」も、計画的に実行したいことです。

生活のめりはりが大切 適度な息抜きを取り入れて

 スケジュール作りで注意したい点は、予定を詰め込み過ぎないこと。「苦手科目を克服する」という目標を定めたとしても、やることが多過ぎて余裕のないプランでは、計画どおりに進まなかったら、修正できなくなってしまいます。その日のうちに「やるべきこと」をすべて消化できなくても、翌日の午前中、もしくは次の週が始まるまでに遅れが取り戻せるよう、「予備の時間」を設けておくとよいでしょう。夏期講習のないお盆休みに、前半の進み具合をチェックして、後半のプランを見直すのも一つの方法です。

 また、やるべきことが予定よりも早く終わったからといって、「時間があるから、これもやっておこうね」と、学習量を増やすことは禁物です。ただでさえ、お子さんはふだんから遊びたい気持ちを我慢して、勉強をがんばっています。せっかくやるべきことを終わらせたのに、空いた時間まで勉強を押し付けてしまうと、精神的に追い詰められてしまいます。せめて時間に余裕ができたときくらいは、お子さんに好きなことをさせてリフレッシュさせてあげましょう。「がんばれば、お楽しみが待っている」と、本人が前向きな気持ちで学習に取り組めるよう、生活にめりはりをつけることが、やる気を引き出すポイントでもあるのです。

 開成中に進学したS・Tくんのお父さんは、このように話します。「息子は小さいころから習っているテニスを6年生でも続け、塾のない日はわたしと一緒に打ち合うこともありました。その分、『机に向かったら集中する』ことを徹底させ、休憩時間が終了したらすぐに机に向かう約束にしていました」。また、慶應義塾湘南藤沢中等部に進学したR・Yさんのお母さんは、「夏休みは特にがんばっていたので、時々外食や散歩に行くようにして気分転換を図りました。また、運動不足になるので、毎朝テレビ体操をやって体をほぐしました」と振り返ります。

 6年生のお子さんをお持ちのご家庭で、夏休みを最大限に活用するために重要なのは、お子さんの心と体の様子をよく見ながら、きちんと健康管理をし、日々の生活に適度なめりはりをつけて効率良く学習できる環境を整えてあげることです。親子それぞれにとって、悔いのない夏休みを過ごしましょう。

夏にこつこつと積み重ねた「努力」は、
これからの自分を支える「自信」を生み出す

 受験学年である6年生の夏休みは“天王山”ともいわれます。夏休みにどれだけ努力できたかによって、その後の学力、ひいては志望校の合格可能性が左右されることもあるのです。

 サピックスの夏期講習では、主にそれまでの学習の総復習が行われ、18日間の講習を通して、どの教科でも一通りの分野について学ぶことになります。したがって、夏に苦手な分野を克服したいという場合は、苦手な単元を学ぶ日は特に授業に集中し、復習を確実にするようにしてください。算数では前日に学んだ単元の復習テストが毎日行われます。

 一方、夏期集中志望校錬成特訓は、9月以降に始まる難関校SS特訓につながるもので、ここから本格的な志望校対策が始まると考えてください。まずは夏期講習でしっかりとした土台を作り、夏期集中志望校錬成特訓で入試を意識した実戦的な問題に触れることになります。

 では、実際には夏休みをどのように過ごせば、学習の効果がより期待できるのでしょうか。アドバイスは2点あります。

 一つ目は、「サピックスの授業に集中する」ということ。これはもちろん、ふだんの授業にもいえることですが、授業中、その場での理解度が高ければ高いほど、家庭学習の負担が少なくなります。さらに、9月以降は過去問やSS特訓の復習などの家庭学習の量は増えるのに、日曜もサピックスに行くことになるので家庭学習の時間は減る、という状況になります。それに向けても、授業の中でできるだけ吸収してくる、という学習姿勢を身につけていきましょう。

 二つ目は、「夏休みの期間中は毎日同じようなリズムで生活をする」ことです。6年生の夏期講習の授業は午後なので、家庭学習をその日の夜に行い、その続きを次の日の午前中に行うことになります。そのとき、お子さんに合わせた睡眠時間は必ず確保してください。また、毎朝決まった時間に起床することが理想ですが、講習から帰ってきて、だいぶ疲れているように見えるときは早めに寝かせ、翌朝早く起きて学習させるなど、お子さんの状態に合わせて対応することも重要です。

 そして、家庭学習は、「絶対にやるべきもの」「時間があればやったほうがよいもの」などと優先順位が示されるので、それを守って取り組んでください。優先順位が低いものまですべてをこなせなかったからといって、達成感がないなどと思う必要はありません。きちんと優先順位のとおりにできているか、時には振り返ってみることも必要です。

 このように、サピックスの授業と教材を正しく活用すれば、それで十分に力がつき、9月以降のSS特訓や過去問演習にもつながっていきます。あれもこれもとほかの教材などに手を出しても、効果は得られないと思います。

 夏に積み重ねた努力、そしてそこから生まれる自信は、これからのさまざまな場面でお子さんを支えてくれます。入試当日、どうしても緊張してしまうかと思いますが、そのプレッシャーに負けず、「あれだけやったのだから、大丈夫」と思えるように、悔いのない充実した夏休みにしましょう。

教務部 野口 伊知朗

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