受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

伸びやかな教育環境の下、
学び合い、深め合いながら
高い品性と知性を育てる

学習院女子中等科・女子高等科 科長 増渕 哲夫 先生

終戦の日の日誌からも伝わる
創立時からの確固たる教育姿勢

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

神田 初めに貴校の沿革についてご紹介ください。

増渕 本校の前身は、1885(明治18)年に、昭憲皇太后(明治天皇の皇后)の「女子にも独自の教育を」との思し召しに基づいて設立された華族女学校です。学習院の源流はその前からあり、1847(弘化4)年に公家の方の学習所が京都御所日御門前に開講されたときを起源としています。現在の学習院女子中等科・女子高等科という名称になったのは1947(昭和22)年ですが、設立当初から中高一貫の教育を行っていたので、130年以上の歴史を持つ女子の中高一貫校ということになります。

神田 たいへん伝統があり、創立当初から時代の先を行く学校だったということは、「金剛石・水は器」という御歌を拝見してもわかります。これは現代にも通じる大切な教えですね。

増渕 「金剛石・水は器」は昭憲皇太后より賜った御歌で、今も入学式のときに歌っています。「金剛石」とはダイヤモンドのことです。磨くことで光るダイヤモンドの原石のように、自分を磨く大切さを歌っています。一方、「水は器」には「水は方円の器に従う」というように、「人も交わる友によって変わるので、良き友を得て伸びていきましょう」という思いが込められています。良き友を求め、切磋琢磨して、自分も友にとって良き友でなくてはなりません。中高時代は自分と人とを比べて、自信を失うこともある時期ですが、誰しも友だちにはかなわないと思う部分もあれば、友だちからかなわないと思われる部分も持っています。入学式には毎年200人の新たな個性が集まります。6年間、互いに磨き合って卒業してほしいと思います。

神田 先生は学校ホームページで、生活の指針になることばとして「正直と思いやり」について述べられていますね。

増渕 「正直」は自分に向かうことばであり、「思いやり」は他人に対してどうあるかです。ですから「正直と思いやり」は自分に向かって、あるいは他人に向かったときに、どういう自分であるのか、端的に表す指針となることばだと思います。

 それから本校は「品性と知性」を大切にしています。実は本校には終戦の日の生徒の日誌が残っています。その日に行われた英語やフランス語の授業のことが書かれていて、初めて見たときはその当時に外国語の授業をしていたことに驚きました。本校の先進性、国際性が表れていると思います。天皇陛下の玉音放送を聞いて、生徒がどう考えたかということも書いてあります。「あっぱれ」と思うような感想が書かれていて、懐の深い品性を感じます。

神田 拝見しますと、当時の昭和天皇に対して、思いやりにあふれた受け止め方をしていますね。軍国主義に染め抜かれた時代にあって、人に対する思いやり、尊敬、謙譲の念が文章の端々から伝わってきます。この生徒の戦後の生き方が見えてくる気がします。すばらしい中等教育を受けられたのだと思います。

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18年11月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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