受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多彩な学びの体験を通して
自主独立、科学的精神を持つ
次代のリーダーを育成

駒場東邦中学校・高等学校 校長 平野 勲 先生

創立当初から少人数授業を導入
実技教科も「人として」重要

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

神田 貴校は昨年、創立60周年を迎えられました。初めに沿革についてご紹介ください。

平野 本校は1957(昭和32)年に、当時、東邦大学の理事長だった額田豊博士と都立日比谷高等学校の校長だった菊地龍道先生によって設立されました。日本がまだ豊かではなかった時代にあって、若者たちに未来への夢を与える学校をつくりたいという志がお二人にはありました。建学の理念は、「頭脳を資源とし、人類の福祉を高めるために活躍する、社会に有為な人材を育成する」というものです。「有為な人材」とは、「科学的合理的精神」に基づいて論理的に考える力を、そして「自主独立」の気概を持ち合わせている人物を指します。それが校風に反映されているのでしょう、教員も生徒も自主的に何か「やりたい」と言ったら、周りも「よしやろう」と言う、当時からそんな学校だと思います。

神田 自主独立の精神を持って、常に新しいものを模索しながら今の駒場東邦を築いてこられたのですね。設立時から分割授業を取り入れていたと聞いています。

平野 当時から、英語、数学、理科で分割授業をしていました。現在は、英語、数学、理科実験のほか、情報、技術・家庭などの実技教科でも少人数教育を行っています。

堀口 中1・2の英語は、すべてがクラスを二分した分割授業ですし、きめ細かい授業をされていますね。また、技術の授業では、「ものづくり」と「コンピューター」の二つのクラスに分けて指導されているのですね。

平野 前期・後期に分けて、交代で両方を学習します。「ものづくり」では、ちょっと家具が壊れたときにも自分の手で直せるようになり、生涯にわたって役立つ技術を身につけます。「コンピューター」は、社会に出てから絶対に必要なスキルです。それを本校では中学時代にやります。高校の家庭科もクラスを分割して、調理実習や裁縫実習をします。将来、ボタン付けや料理など、生活にかかわる身近なことは自分でできなくてはなりません。家庭科ではありませんが、キャリア教育につながるものとして保育園での体験をすることもあります。仕事だけでなく、子どもを育てることも、自分が将来、果たすべき責任の一つとして考えてほしいからです。「なぜ進学校が」と言われますが、まず「人間として」ということが重要だと考えています。

堀口 授業とは別に、学年企画や教科の企画で、いろいろな課外活動がありますね。

平野 保育園での体験もそうですが、そのほか、被災地訪問、裁判傍聴、火山見学実習、ウニの発生観察など、試験休みや長期休暇を利用して希望者を対象にさまざまな体験学習を行っています。生徒たちには何でも見てもらいたい、体験してもらいたいと教員たちも思っていて、企画がどんどん上がってきます。

神田 どのように実体験を積ませて、学びのなかでリンクさせていくか、先生方は工夫されているわけですね。

平野 生徒がやりたいことは行政委員会などで企画し、生徒議会で審議され実現可能となります。教員もやりたいことを提案して理解が得られれば実現可能です。そういう文化がある学校です。

メインビジュアル9室の理科実験室があります

18年12月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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