受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多彩な学びの体験を通して
自主独立、科学的精神を持つ
次代のリーダーを育成

駒場東邦中学校・高等学校 校長 平野 勲 先生

卒業生による留学生基金で実現
アメリカ、台湾との交換留学

先生写真
校長 平野 勲 先生

堀口 平野先生のご専門でもある数学の授業には、どのような特色がありますか。

平野 中1から教科書、副教材、問題集を併用して実力の養成に努めるとともに、複数学年において、クラスを二分した少人数授業を行って、無理なく学習に取り組めるよう工夫をしています。たとえば、中2では1クラス40人のところに2人の教員が入って、チームティーチングを行っています。好奇心旺盛な生徒が多いので、教科書レベルの内容だけでは物足りません。生徒がやりたいと言ってきたものを追加しながら行っています。中学の数学は高校の数学の土台になります。質問する機会を増やすためにも、このチームティーチングは良い方法だと思います。中3から高2までは分割授業も取り入れながら、生徒がやる気になる授業、あるいは演習量を増やせる授業などを工夫しています。現高2(61回生)は、授業外にも自分のペースで演習が積めるよう、「究める61題」というプリントに取り組んでいます。

堀口 習熟度別のクラス編成はしていないのですね。

キャプションあり
上/技術の授業ではコンピューター教室を活用。1クラスを「ものづくり」と「コンピューター」の分野に分け、それぞれ半年交代で分割授業を行っています
下/図書室の蔵書数は約7万冊と充実。自習スペースもあり、定期試験前の勉強などでも多くの生徒が利用しています

平野 場合によっては習熟度別にしたほうがよいときもありますが、常に習熟度別では刺激がありません。できる生徒が先生役になって教えることで、よりわかり合えることもあります。高3になると、大学受験の自習のときでも、生徒同士で授業をやっていることがあります。

神田 国際交流にも早くから取り組んでいらっしゃいますね。

平野 アメリカの名門私立高校であるスティーブンソン校との交流は、もう30年以上続いています。これは卒業生をはじめとする関係者がつくってくださった交換留学生基金をもとに始まりました。こちらから行く生徒は限られていますが、向こうからも留学生が来るので、生徒たちがサポート隊をつくって、留学生と一緒に浅草や高尾山に行くなどして交流を図っています。台湾屈指の名門高校である台南第一高級中学との間でも短期留学制度があります。こちらの交換留学費用も、その基金から出ています。

神田 卒業生による基金で後輩たちが海外で学ぶことができるとは、すばらしいですね。

平野 最初は海外で活躍されている卒業生の方の寄付によって交換留学生基金が生まれ、その後はPTAをはじめいろいろな方に寄付を頂きながら続いています。基金をもとに教員同士の交換も行っています。基金を使って行くのはその2校だけですが、ほかにも海外留学をしている生徒がいます。

 高2の修学旅行で海外に行くこともあります。行き先はその学年ごとに生徒がプレゼンテーションを行って決めるシステムで、今年の国内組は北海道に、海外組はシンガポールに行き、来年の海外組はベトナムに行きます。それから、これは個人ですが、今年の夏にガーナへ行って、現地の子どもたちにサッカーの指導をしてきた生徒もいます。先日、ガーナ大使館に報告に行ったそうで、「もしかしたら本校に大使が来られるかもしれない」と喜んでいました。

神田 あまりなじみがない国でも、サッカーという興味をきっかけにまずは訪ねてみる。良い視点ですね。

18年12月号 さぴあインタビュー/全国版:
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