受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

能動的な学びのなかで
育まれる独自性と社会性、
そして将来への高い意識

鷗友学園女子中学高等学校 校長 大井 正智 先生

高1から「BYOD」を導入
デバイスの使用は自分で判断

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神田 今年から高校で「BYOD(Bring Your Own Device)」を導入し、自分が持っているデバイスを学校に持ち込んで学習に使うという試みが始まりましたね。BYODを導入する学校は増えてきましたが、手を動かして書くことも大切だという方針の学校もあります。その点はどうお考えですか。

大井 家にあるパソコン、タブレット、スマートフォンなどを文房具の一つとして学習に使っていいということにしています。家ではパソコンを使うけれど、学校ではペンとノートの生徒もいます。こういう授業にしなくてはならないという枠はなく、最終目的だけ決めて、それに向かって何を使うかは教員も生徒も自由です。授業時間に限らず、自分の考えを発信したり、他者の考えをじっくり聞いたりする時間が増えました。このようにICTはあくまでも学びのツールであり、目的は、もっと楽しく自由に学ぶことにあります。

中野 デバイスは使いこせないと意味がありません。電車でみんなが一様にスマートフォンの画面を見ている光景があるのは、デバイスに振り回されて、自分のためにどう使えばいいのかわかっていないからではないかと感じます。若いうちから必要なら使う、そうでないなら使わない、という判断ができるようにするのは、とても大事なことだと思います。

大井 BYODを導入するという話をしたとき、生徒会から「みんなの前で話をさせてほしい」と言ってきたので、始業式で話す機会を与えました。「これからBYODが始まるけれど、みんなに気をつけてほしいことがあります」と言って、自分たちが作ったスライドを使って、「人の写真を撮って、SNSに載せるのは絶対にだめだよ」といった話をしてくれました。こちらから頼んだわけではないのに、うれしかったですね。

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神田 すばらしいことです。倫理観がきちんと育っていますね。

大井 教員は心配性なので細かいルールを設けたがりましたが、「鷗友の生徒ならできるよね」ということで、大枠を決めるだけにしました。

神田 行事も大切にされていますね。軽井沢の山荘での生活体験をはじめ、一年を通してさまざまな行事があります。

大井 非日常のなかにいろいろな学びがあり、感動があります。修学旅行一つをとっても、生徒たちは大きく成長します。中学の修学旅行は沖縄に行きますが、行く前の顔と戻ってきたときの顔は明らかに違い、しっかり平和のことを考えて帰ってきます。ある生徒がこんなことを言っていました。「行く前は、平和とは楽しく暮らせることだと考えていた。でも、沖縄に行ってからは、平和とはすべての人が未来に希望を持てることだと思うようになった」と。今が楽しくても希望が持てない世界は平和とはいえないということを学んでいるのです。本当に行かせてよかったと思います。

19年1月号 さぴあインタビュー/全国版:
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