受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

リベラルアーツの伝統と
先進的な取り組みで
知的探究心を大きく育む

同志社中学校・高等学校 副校長 竹山 幸男 先生

新島襄が創設した
同志社英学校が起源

聞き手1
サピックス小学部
教務部
野口 伊知朗

野口 初めに、貴校の歴史から伺いたいと思います。

竹山 同志社は、同志社大学・大学院のほか、同志社女子大学・大学院、四つの高等学校と四つの中学校、および二つの小学校と幼稚園を擁するキリスト教主義の総合学園です。その起源は、創立者の新島襄が1875(明治8)年に創設した同志社英学校にあります。1843(天保14)年に生まれた新島先生は、蘭学などを学び、日本の近代化の先導者になろうと志し、21歳のときに国禁を犯してアメリカへ渡航しました。現地では、実業家でクリスチャンのハーディー夫妻の世話になって養子となり、3か月ほどボストンで過ごした後、リベラルアーツの名門大学であるアーモスト(アマースト)大学で学びました。先生はアーモスト大学でリベラルアーツ全般を学びましたが、そのなかでも特に地質学や鉱物学を学び、日本人として初めてアメリカの大学で理学士の学位を取得しました。

 その後は、アメリカ訪問中の岩倉具視の使節団に通訳として加わり、欧米8か国の教育制度を視察・調査し、日本にもキリスト教主義の教育機関が必要だと痛感しました。そして、帰国した翌年の1875年に、京都市寺町に同志社英学校を創設したのです。

 さらに、母校のアーモスト大学をモデルに総合大学の創設をめざしましたが、46歳のとき、それを目前にして倒れられ、翌1890年に亡くなられます。そのような新島先生の教育宣言(同志社大学設立の旨意)のなかに、設立の目的として、「ただ技術や才能のある人物を育成するだけでなく、良心を手腕に運用する人物を育てる」という意味のことばがあります。本校が徳育を重んじる理由はそこにあるのです。

中嶋 建学の精神である「自由・自治・自立」は、学校生活のなかでどのように息づいているのですか。

竹山 日本や世界の産業構造が大きく変化するこれからの時代、クリエイティビィティー(創造力)や発想力が、価値あるものとして求められるでしょう。それは、何事からも自由で自立した個々人の頭や心から生まれます。「自由」とは真に主体的に自分で考え行動することですが、そうした教育環境が本校には整っています。生徒会活動も活発で、「自治」を体現できる場面も数多くあります。しかも、生徒会や行事、クラブ活動は中学と高校で別々に運営しています。だから中3で一度、最上級生となり、さまざまな場面でリーダーの役割を果たす機会が生じます。その経験による、人間的な成長、「自立」には著しいものがあります。

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19年2月号 さぴあインタビュ ー/関西情報:
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