受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

リベラルアーツの伝統と
先進的な取り組みで
知的探究心を大きく育む

同志社中学校・高等学校 副校長 竹山 幸男 先生

恵まれた環境のキャンパスで
教科センター方式の授業を展開

先生写真
副校長 竹山 幸男 先生

野口 中学校の創設の地は烏丸今出川(京都市上京区)ですが、2010年に、ここ岩倉に新キャンパスが誕生し、移転しました。広大な敷地にレンガ造り風の建物が並ぶ、とても美しいキャンパスですね。

竹山 ありがとうございます。学校は生徒たちにとって、一日の3分の1を過ごす場所です。日本の学校は、廊下の一方に教室が並ぶハーモニカ形式の校舎が多いですが、本校はそうした造りではなく、機能性はもちろん、窓枠の色なども細部に至るまで妥協せず、考え抜いて建てました。学校建築計画の第一人者である長澤悟教授(東洋大学)の監修によるキャンパスで、ハーバード大学に代表されるアメリカ北東部のニューイングランドの大学や高校をイメージして設計されたものです。設計者は、本校の教員も手分けして国内外の学校やホールを100か所ほど見学したうえで、コンペを実施して選びました。

 敷地は10万平方メートルですから、甲子園球場の2.5倍もの広さがあり、キャンパス内は中学生と高校生の生活ゾーンが分かれています。また、すべての教室に電子黒板、プロジェクターを導入し、中学の図書館には4万冊、高校の図書館には8万冊の蔵書があります。キャンパス内には標本館もあり、動物のはく製や骨格標本が保管・展示されています。絶滅種や絶滅危惧種も含め、収蔵点数は約8000点におよびます。さらに、中学棟の数学科メディアスペースを利用し、数学の定理パズルや数学アートを展示した「数学博物館」を2016年に開設しました。

キャプション付き
上/‌毎朝の礼拝をはじめ、式典や学校説明会などが行われるグレイス・チャペル
中/‌標本館には、世界でも貴重な動物の標本を展示。なかでも大きなカバの標本が目を引きます
下/校内のあらゆる場所に、生徒たちの作品や研究レポートが展示されています

野口 新キャンパスに移転すると同時に「教科センター方式」を導入されましたが、それはどういう授業運営なのでしょうか。

竹山 一般的な中学校では、理科、技術、音楽、美術といった教科には特別教室がありますが、それを国語、数学、社会、英語などでも実現したのが、本校の教科センター方式です。つまり、全教科に特別教室があり、すべての授業を教科専門教室で行うわけです。そのため生徒たちは、ホームベースと呼ばれるクラス専用室の個人ロッカーに荷物を置き、時間になると、教科専門教室に移動して授業を受けるのです。

中嶋 生徒たちは、休み時間の10分間で移動するのですね。

竹山 はい。本校はチャイムを鳴らさない「ノーチャイム制」を採用しているので、生徒たちは自分で時間割と時計を確認し、各教室へ移動します。

野口 各教科の教科専門教室に隣接する「メディアスペース」は、どんな役割を担っているのですか。

竹山 その教科の関連書籍や教具を置いているほか、生徒の研究発表などを展示するスペースとして活用しています。たとえば、社会科では東日本大震災に関する研究をしましたが、一般的な教室では、模造紙にまとめた研究結果を掲示できる場所があまりありません。メディアスペースならそれが可能です。

中嶋 先輩や同級生の優れた展示物から刺激を受ける生徒も多いでしょうね。

竹山 そうですね。一般の学校では、そうした成果は、クラブ活動や行事でしか見られませんが、本校ではそれを日常的に見られるようにしたのです。

野口 校内には最先端のICT環境が整備されているようですが、どのように活用されているのでしょうか。

竹山 生徒は1人1台の自分専用タブレットを持っていて、「学習ポータルサイト」を利用して予習や復習ができます。内容は教科によってさまざまですが、サイトには教員が作った教材やテスト問題などをアップしています。また、英語の授業では、生徒がみずから文章や写真、動画の編集をして英語でプレゼンテーションを行ったり、オンライン授業を導入し、海外の人とコミュニケーションをとってスピーキング力の練習濃度を上げています。さらに、テーマに沿った英作文を書かせるなど、英語4技能を総合的に伸ばす授業を展開しています。

19年2月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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