受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

多様な仲間と学び合うなかで
自然に育まれる国際理解と
未来を創り出す力

渋谷教育学園渋谷中学高等学校 校長 田村 哲夫 先生 副校長 高際 伊都子 先生

生徒の約1割を占める帰国生
互いに刺激し合う学びの環境

神田 初めに学園の沿革についてご紹介いただきたいと思います。

聞き手1
サピックス
教育情報センター所長
神田 正樹

田村 学園として渋谷の地に誕生したのは1924(大正13)年です。当時の日本は、資本主義経済の発展によって、女性の働き手が必要になってきた時代です。女子教育の必要性が叫ばれ、女子教育を標榜する学校がたくさん設立されました。そうした社会背景のなかで誕生した学園ですから、もともとは女子が社会で活躍するための実践的な教育を行う学校でしたが、戦後になって学校制度の改革により普通科の学校に切り替わりました。

 その後、渋谷の学校とは別に、千葉県から誘致されて、1983(昭和58)年に郊外型の共学校として渋谷教育学園幕張高等学校を、その3年後の86年に幕張中学校を設立しました。当時、共学の中高一貫校はあまりなかったので、新しいビジネスモデルとして注目されました。こうして千葉の学校がうまく動き出したことで、渋谷の学校でも、現場の教員たちから、幕張での経験を渋谷でも生かしてほしいという声が上がり、1996(平成8)年に共学の中高一貫校として本校が誕生しました。

 教育目標は、「自調自考」「国際人としての資質を養う」「高い倫理感を育てる」の三つです。この三つは幕張と同じですが、渋谷には都市型の中高一貫校として幕張にはない利点がありました。実は、渋谷の校地には、英国形式の教育を行うブリティッシュスクールがあったのです。本学園の関連校ですが、実際はイギリス大使が理事として運営していたこともあり、幕張より一歩進んだ国際教育ができるのではないかと考えました。

神田 今年で開校24年目になりますが、短い期間のうちに、これだけすばらしい実績を残した学校は、他に類を見ないと思います。高際先生は開校当初から教えてこられて、この間の急成長をどのように感じていらっしゃるのでしょうか。

高際 教育の観点からいうと、「激動の四半世紀」でした。教育改革のターニングポイントのなかで出てきた挑戦的なことに、取り組んだ学校でした。新しい学校なので、挑戦することへの抵抗感が薄かったのだと思います。渋谷という立地やブリティッシュスクールからの影響もありましたし、幕張に比べて学校の規模が小さいということもあります。本校は1学年約200名のうち、約1割が帰国生です。また、海外に住んでいた経験のある生徒を含めると、40人ほどになります。そういう生徒たちが、互いに刺激を与え合える取り組みを数多く行ってきました。また、渋谷ならではの特徴を出そうと、英語の授業数も増やしました。単に受験に必要だからではなく、いろいろな形で子どもたちに英語に触れさせることに力を入れてきました。

神田 今でいう英語の4技能の養成に、当初から力を入れてこられたのですね。

高際 先生方もよく応えてくれました。本校にはさまざまな海外交流プログラムがありますが、特徴的なのは、それが学校行事であって、教科の行事ではないということです。海外研修に行く際も、英語科以外の教員が引率することはごく普通です。学問として言語をしっかり教えるのは英語の教員ですが、それを使って交流するのは全教員の仕事だという認識です。昨年のベトナム研修も理科の教員が引率し、今度のイギリス研修も国語の教員が引率します。

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19年5月号 さぴあインタビュ ー/全国版:
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