受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

互いに尊重し合う
心豊かな学びの日々が
真の知性と品性を育む

雙葉中学校・高等学校 校長 日下部 和子 先生

生き方を学ぶ「宗教」の時間
中3で必修のフランス語

野口 各学年に「宗教」の時間がありますが、どのような内容ですか。

日下部 カトリックの知識を学ぶというより、人間としての生き方について学びます。「お友だちを大事にしよう、自分のよいところは何だろう」といった内容が中1ですね。中2・中3では社会に目を向け、「平和とは何だろう、人間はどうして争うのだろう」といったことをテーマにします。高校生は、「社会で困っている人がいるのはなぜだろう、豊かに生きるにはどうしたらよいだろう」といったテーマで考えます。

聞き手2
サピックス小学部
教務部
野口 伊知朗

 もちろん、みんなでお祈りもしますが、形だけ唱えても意味がありません。自分なりのお祈りでよいのです。12月の「学園感謝の日」には、生徒がメッセージを考えます。たとえば高3なら、「わたしたちはもうすぐ卒業します。下級生たちがこの先、雙葉でよい生活が送れますように」などというお祈りをするのです。お祈りは、特別な形にとらわれる必要はありません。自分のお願い、相談、心の声なのです。カトリック系の学校であってもなくても、人間が大事にしなくてはならないものは同じだと思います。

野口 平和について考えるというお話がありましたが、中3の修学旅行として広島に行くのも平和教育ですね。それから「平和スピーチ」という行事がありますが、これはどのようなものですか。

日下部 中学の修学旅行では、戦争の悲惨さや世界平和の大切さを学ぶため、毎年、広島を訪れています。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になっていますが、例年は5月に行き、広島での体験を振り返って、夏休みに「平和」をテーマに小論文を書きます。広島での体験を振り返ったものでも、広く「平和」について考えたものでも構いません。全員の小論文は冊子にまとめ、クラスで1人ずつ発表します。そのなかから心に残ったものが生徒の投票で選ばれ、3月には講堂で、中3と中2を前に「平和スピーチ」が行われます。参加した中2が、今度は自分の小論文の準備を始めるわけですね。これも受け継がれていくものだと思います。今年は6月になってから行いましたが、高校生になった8人の代表が、15歳ならではのすばらしいスピーチをしてくれました。それぞれ違う角度から平和について語ってくれた内容は、大人ではとても思いつかないことです。

キャプションあり
上/‌ステンドグラスが美しく、木のぬくもりが感じられる聖堂。宗教の時間のお祈りなどで利用されます
下/‌校舎の最上階にある図書室は自習スペースも充実。眺望がすばらしく、生徒にとって快適な学習の場となっています

野口 国際教育についてはどのような方針ですか。

日下部 海外研修や留学の制度は設けていません。学校が決めた形より、自分で調べて、自分で選んで行ってほしいという思いがあるからです。実際、留学する生徒は毎年、一定数いますし、学校としてもできる限りのサポートをしています。

神田 創立時から語学教育を重視され、英語のほかにフランス語教育を行っていることも大きな特徴だと思います。中学ではフランス語は必修ですね。

日下部 中3になると、週に1~2時間、全員がフランス語を学びます。この段階では、文化に触れること、音に慣れることを重視します。高校に入る前のこのタイミングで、英語以外の言語にも親しみを持つのはとても良いことだと思います。本格的に学びたい生徒は、高校でフランス語を第一外国語として選択することもできます。大学をフランス語で受験する生徒もいます。英語だけでなく、フランス語もできれば、広く世界で活躍できるのではないかと思います。

20年12月号 さぴあインタビュー/全国版:
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