受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

内省と気づきを促す教育で
他者のために行動できる
真のリーダーを育成する

栄光学園中学高等学校 校長 望月 伸一郎 先生

個性を重視した少人数教育で
優れたリーダーを育てる

先生写真
校長 望月 伸一郎 先生

神田 栄光学園にはいくつかのキーワードがあります。その一つが「MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS」(他者のために、他者と共に生きる)です。また、ラテン語で示されたキーワードとして、「AGE QUOD AGIS」(やるべきことを、やるべきときに、やる)があります。これはとてもシンプルなことばですね。

望月 「MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS」は、「自分の力を喜んで人々のために生かすことのできる人間」ということです。「人のためにしてあげる」のではなく、同じ立場に立って、共感しながら行動することが大切です。一方、「AGE QUOD AGIS」は、「歩くときは歩きましょう」「食べるときは食べましょう」という、ただそれだけです。授業時間にはきちんと授業に参加しましょう、でも次の10分間は思い切り遊びましょうということです。「AGE QUOD AGIS」はわたしたちの生命の質、人生の時間の質を上げることにつながると同時に、そこから多くの情報を得ることができ、自分が何かに気づいて変わっていくきっかけにもなります。たとえば、旅行先でお土産として茶碗を買うためにお店に入ったとき、似たような商品が並んでいたら、どれにしようか迷うでしょう。そういうとき、茶碗を手に取って目をつぶると、触感に集中でき、器の一つひとつの特徴や違いがわかります。そこでしかできないこと、そこでしか食べられないもの、そこでしか話せない人に触れることが大事なのです。

神田 「集団のなかで個性を大切にする」ことも特徴の一つとして挙げています。1学年の生徒数を約180名に抑えているのもそのためですか。

望月 フォス神父が最初に生徒数を絞ったのは、日本でも優れたエリートを育てたいと考えたからだと思います。知的好奇心が旺盛な、学ぶ意欲を持つ子たちに入ってもらおうと考えて、合格者数を絞ったのでしょう。栄光学園の学校としてのミッションは、キリスト教的な教育観を持った優れたリーダーを養成していくことです。

 現在の広い校地に移転したときが、生徒数を増やすチャンスだったと思いますが、当時の先生たちはそうしませんでした。わたしも校長になって気づきましたが、この数は校長が全校生徒の名前を覚えることができる上限なのではないかと思います。歴代の校長は必ず中1の授業を受け持ちます。そこで生徒の名前を覚え、ことばを交わせば、6年間で全校生徒がわかります。また、本校は1学年4クラスなので、各教科の教員は学年の全クラスを教えることができますから、学年すべての生徒を把握でき、個人的な関係も深まります。

21年2月号 さぴあインタビュー/全国版:
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