受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

内省と気づきを促す教育で
他者のために行動できる
真のリーダーを育成する

栄光学園中学高等学校 校長 望月 伸一郎 先生

高まる海外の大学への進学意欲
大切なのは望む分野に進むこと

イメージカット

玉井 ところで、2016年に上智学院・栄光学園・六甲学院・広島学院・泰星学園の五つの学校法人が合併しました。上智大学との法人合併によって、何か変わったことはありますか。

望月 法人合併はしましたが、付属校になったわけではありません。今年度、上智大学との間では特別推薦制度を設けましたが、それを利用するように生徒に強く勧めるということはしていません。やはり生徒の第一志望をかなえるのが一番です。進路指導として、学校側でどこかの大学に進学してほしいとか、そこに進学させるための特別なプログラムを組むといったこともしません。

神田 大学合格実績を拝見しますと、毎年すばらしい結果を出していらっしゃいます。卒業生の7~8割が国公立大学に合格する年もありますね。

望月 年度によって違いますが、やはり国公立大学の志望者は多いですね。今の高1・高2の生徒や保護者の方のなかには、進路担当の教員に、海外の大学進学について相談にくるケースが少なくなく、今後は進学者が増えると思います。アメリカの大学といってもアイビーリーグだけではなく、リベラルアーツカレッジへの進学を考える生徒が増えるかもしれません。アメリカでカレッジカウンセラーをしている卒業生がいるので、先日もガイダンスを開いてもらったところです。

集合写真

 進路ガイダンスは高1を対象に、毎年何人かの卒業生に来てもらって開いています。文系・理系に偏らないよう、さまざまな職業の人を招いています。生徒たちが想像もつかないような、かつてはなかったような仕事をしている人にもなるべく来てもらうようにしています。医学部のように、職業に直結する学部は別として、今は進む先が見えにくくなっています。「どんな進路に進みたいか」と聞いても、答えが返ってきにくくなっています。とにかく、学びたいこと、関心ある分野に進めば何とかなる、ということをわかってもらうのが進路ガイダンスの狙いです。卒業生たちに、大学での学びがどう役立ったのかという話を聞くと、進路についてもっと自由に考えていいのだという気づきが得られるようです。

神田 では最後に、中学受験に向けてがんばっている子どもたちにメッセージをお願いいたします。

望月 今年の中1生は、新型コロナウイルス感染症の影響で、4月の入学式ができないなかでのスタートでした。6月に学校が再開したとき、初めての登校で中1生たちがどんなに喜んで来るのかと思っていたら、みんなとても緊張していて、すぐにはクラスメートと打ち解けることができませんでした。コロナは子どもたちに相当ストレスを与えていたと思います。でも、どんな状態でも学校には自分の場所がちゃんとある、ということを感じ取ってくれるようにしています。本校を志望してくれる小学生の皆さんにも、そんな安心を伝えたいと思っています。本校の授業には発見があります。驚きもあります。考えることが嫌いでなければ、栄光学園で楽しい学校生活が送れると思います。

神田 先生方が温かく見守ってくださるので、栄光学園に行きたいと思ったら思い切りチャレンジしてほしいですね。本日はありがとうございました。

21年2月号 さぴあインタビュー/全国版:
目次|5

ページトップ このページTopへ