受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

「やってみなはれ精神」と
主体的に学ぶ探究学習で
生徒の心に火をつける

雲雀丘学園中学校・高等学校 校長 中井 啓之 先生

英語教育だけではない
真のグローバル教育を実施

先生写真
校長 中井 啓之 先生

藪田 貴校は現在、グローバル教育、ICT教育、そして探究学習に注力されています。まず、グローバル教育の特徴をお聞かせください。

中井 かつて本校には普通科と国際科がありましたが、グローバル教育は一部の生徒だけでなく、すべての生徒に必要だという観点から国際科をなくしました。そして、わたしが校長になったときに、アメリカの西海岸と東海岸の各6大学を視察したのですが、現地では、日本から海外大学へ進学した学生たちがどんな生活をしているのかなども見ることができました。帰国後にグローバル教育部を創設し、ネイティブの講師にも日本の教員免許を取得してもらい、専任で授業に入ってもらうことにしたのです。

 本校の考えるグローバル教育とは、単に英語教育をするだけのものではありません。それを実現するために、教員ではない人材もグローバル教育のティーチングスタッフに入れていく予定です。そして今後は、海外研修旅行だけでなく、国内で行うプログラムも充実させていきたいと考えています。残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響から、現在は海外へは行けませんが、時差の少ない台湾の学校とオンラインでつないで、昼休みなどに交流するといった取り組みを行っています。

藪田 貴校では、卒業生が海外大学に進学した例もあるのですか。

中井 はい。現高3にもすでに合格者がいます。

藪田 では次に、ICT教育について伺いたいと思います。

中井 本校ではICT教育が独立してあるのではなく、グローバル教育や探究学習をつなぐものがICTと考えています。新型コロナウイルスの感染拡大による休校期間中にもICTを活用したオンライン授業を行いましたが、それで終わりにしてしまうのではなく、オンライン授業がもたらした成果についての検証もしっかり行う考えです。たとえば、10月と11月に実施した模擬テストや定期試験の結果を前年の生徒と比較したり、春から秋に至る間に、個々の生徒が期待どおりに学力を伸ばすことができたかを検証したりしています。

藪田 休校中のオンライン授業は、5月のゴールデンウイーク明けからスタートしたと伺っています。

中井 そうです。もっとも、オンラインですべてを完結させるのではなく、プリント教材なども多く用い、アナログ的な面も大事にしました。紙の教材を生徒の自宅宛てに送り、解答を書き込んだものは教員に返送させてキャッチボールをしました。この場合、返信用の封筒を学校が用意したほうがいいのか、生徒に自分で用意させたほうが自立心が養われるのではないかといったことまで、教員たちが集まって議論しました。また、本校には教員以外に、悩みを抱えた生徒をケアするカウンセラーがいます。休校中は電話でもオンラインでも対応しました。

中川 生徒たちがオンライン授業で使う端末はどうされたのでしょうか。

中井 現在は中1から高2までの全員がタブレット端末を所持していますが、春の段階では全学年には行き渡っていませんでした。そこで、休校中にオンライン授業を行うに当たり、端末を持っていない家庭には学校のものを貸し出しました。

21年2月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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